もし明日、自分や、自分の大切な人が働けなくなったら?どうする?

毎日同じ時間に同じ場所へ向かって同じ顔ぶれのなかで仕事をする。
それってめちゃめちゃすごくないですか?

 

出来て当たり前だろそんなの、と言う人もいるかもしれない。けれど、それはその人にとっての当たり前でしかなくて。しかも、当たり前だと思っていた日常がふとしたきっかけで一変してしまうことなんて珍しい話じゃない。

 

 

自分や自分の大切な人がそんな状況になったとき、どうすれば良いのかあなたは知っていますか?どこへ相談すれば良いか、知っていますか?

 

 

 

今回は、働くことに障害のある人をサポートする事業についてご紹介したいと思います。

 

 

株式会社LITALICO(りたりこ)の就労移行支援事業所・LITALICOワークス 京都駅前、スタッフの田中さんにお話をお伺いしました。

 

 

りたりこ1-1LITALICOワークス京都駅前事業所スタッフの田中さん

 

 

 

LITALICO(りたりこ)ワークスってどういう場所?

 

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ーー田中さん。LITALICOさんのことを初めて知る方に対して、どんな活動をされているのか教えていただけますか?

 

 

 

田中さん(以下、田中)はい。LITALICOは「障害のない社会をつくる」というビジョンのもと、さまざまな事業を展開しています。特に、全国に拠点を置いて活動しているものは3つです。

 

◎働くことに障害のある方への就労支援サービス「LITALICOワークス」

 

◎お子さまの可能性を拡げるソーシャルスキル&学習教室「LITALICOジュニア」

 

◎ものづくりに特化した教育を行うIT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」

 

 

 

りたりこ1-3LITALICOのWebサイトより引用

 

 

僕が働いているLITALICOワークス京都駅前では、就労移行支援事業というものを行なっています。働く意欲を持った、障害のある方をサポートする事業です。

 

 

 

ーー移行、というのは?

 

 

田中:働いていない状態から、就職に向けて移っていく段階を支援する事業なんです。なので「移行」となります。

 

 

就労移行支援事業では、主に障害者手帳をお持ちの方や、主治医からの診断書がある方、いわゆる障害がある方に対して一般の就職を目指すための訓練などを提供しています。

 

 

このLITALICOワークス京都駅前に来られるのは精神障害の方がほとんどで、そのうち発達障害のある方が3~4割くらい。その他知的障害の方が2割ほど、身体障害の方は全体の1割くらいです。

 

 

その方たちがスムーズに就職できるようお手伝いをしているんです。

 

 

 

ーー具体的にはどのような内容の支援をなさっているんですか?

 

 

 

田中:訓練には、施設の中で行われるものと、外で行われるものがあるんです。

 

 

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施設の中では、

 

・就職活動の全体の流れなどの基本的な知識を学ぶ座学

・ストレスコントロールの訓練

・手先を使う細かい作業訓練

・PCを使ったデータ入力

・WordやExcel

 

など一般企業で働くのに必要なスキル向上をはかるプログラムもあります。そのほかにも、ご本人の希望や状態に合わせながらいろんなプログラムを作っていきます。

 

施設の外では、ご協力いただいている企業様にインターンに行かせていただいて、1週間から長い場合には月単位でのお仕事をするという職場体験を行なっています。

 

実際の職場で働くことで、その業界や職種が自分に合っているのか、この環境でやっていけるのかっていうところを確認しつつ、実習を通して自信をつけてもらうねらいもあります。

 

 

 

ーー就職が決まったあとのサポートもされているとお聞きしました。

 

 

田中:はい。

定着の支援も私たちの役目です。やっぱり新しい環境に一人飛び込んでいくってすごく勇気のいることですし、不安も多いと思います。

 

私たちが直接企業さんに訪問させていただいて、お仕事の業務量の調整を相談したり、休日にセンターに来ていただいて相談援助として本人の体調や様子の変化などはないかを確認しながら、継続的にサポートを続けています。

 

 

 

 

LITALICOワークスの支援を受ける流れはこんな感じ

 

 

ーー利用者の方はどういう接点からLITALICOワークスさんへやって来られるんですか?

 

 

田中:だいたい以下の4つが多いです。

 

・医療機関(デイケア・クリニック)からの紹介

・障害者就業・生活支援センターや相談支援事業所など福祉機関からの紹介

・特別支援学校の卒業生

・HPを見た

 

 

 

ーー医療機関からの紹介、クリニックはわかるのですがデイケアとはどういう場所でしょうか?

 

 

田中: デイケアとは「精神科デイケア」といって、主な目的は「日中活動の提供」「体調安定」「居場所づくり」などがあります。社会復帰のためのコミュニケーションの取り方や、雑談の仕方、ストレスのコントロール、あとは認知行動療法を用いながら自分自身の障害と向き合って肯定的に捉えるトレーニングなどを行っている所もあります。

 

デイケアは精神科のクリニックや病院に併設しているのですが、クリニックへの通院と自宅との往復だけしていた方が徐々にコミュニティに入っていくための医療行為として医師の判断で通われる方もいらっしゃいます。

 

そういった医療機関で体調などをある程度整えてから、次の段階として就職を目指すときに私たちへご紹介いただくことがあります。

 

 

 

ーークリニックに来られる方はどういう方が多いんですか?

 

 

田中:本当にいろんな背景の方がいらっしゃるので、あんまりどういう方が多いというのもないのですが…

 

企業をリタイアされた方とか、学生さんでも対人関係がうまくいかずに引きこもりになっている方とか、親との関係性に問題を抱えている方、様々な理由でそもそも社会に出られなかった方…本当にいろいろです。

 

 

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ーーそういう方たちがクリニックやデイケアで体調を安定させたり、コミュニティに入る準備を整えたりしたのちに、LITALICOワークスさんへ来られると。

 

では「障害者就業・生活支援センターや相談支援事業所などの福祉機関からの紹介」について教えていただけますか?

 

 

 

田中:障害者就業・生活支援センターというのは、障害がある方のお仕事や生活面の支援を行なっている福祉機関です。

 

LITALICOとは違って、ここはあくまでも相談援助が主なので、定期的に通って訓練をするというよりは、予約を取って窓口に来てお仕事について困っていることを相談したり一緒に求人を探したりといった単発的な関わりが中心になってくるんです。

 

ここに相談には来たんだけれども、本人はすぐに就職する体力とか、仕事の適性がわからない…ってときには一度しっかり訓練を受けてからということでLITALICOを紹介していただくという感じが多いですかね。

 

 

 

ーーなるほど。この障害者就業・生活支援センターの役割は他にもあるんですか?少し事業内容のボリュームが少ない感じを受けるのですが…

 

 

田中:ここは地域のネットワークのハブ的な役割なんですよ。

 

相談に来られた方の状況に応じて各機関に連携を取るという体制ができていて、その連携先のひとつにLITALICOも含まれるという感じです。

 

LITALICOにご紹介いただくこともあれば、また別の機関でA型事業所っていわれるところに紹介がいくってことも。

 

 

 

ーーA型事業所?

 

 

田中:福祉サービスの1つで、就労継続支援A型のことです。いわゆる一般企業ではなく、昔で言う授産施設や作業所と呼ばれるようなところです。スタッフが仕事をもらってきて、その仕事を障害がある方に提供をして工賃や売り上げがお給料になっていくという福祉的就労の場です。今かなり増えてきています。

 

 

ーー最近すごくおしゃれなチョコレートを買ったんですけど、よく見たら作業所で作ってるって書いてありました。昔もクッキーなんかを売られてるのはよく見たのですが、そういうところですか?

 

 

田中:そうですね。それはB型事業所の方かもしれませんね。A型事業所の他に、B型事業所というのもあるので、そのどちらかではないかと思います。

 

 

 

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A型とB型は雇用契約の違いなんですよ。A型は雇用契約を結ぶけれど、B型は結ばないんですね。なので、A型は最低賃金が保証されるけれど週何日何時間は来ないといけないということになります。B型は雇用契約を結ばないため、給料ではなく「工賃」をもらう形になりますね。

 

 

 

ーー特別支援学校の卒業生、HPを見たという人が来られるというのはどういう流れになりますか?

 

 

田中:特別支援学校は障害があるお子さんが通う学校なのですが、卒業後にすぐ就職は難しいという場合にLITALICOで訓練を受けるために来られます。

 

HPを見て来ましたという方に関しては本当に「障害 働く」で検索したらLITALICOが出てきたので電話してみましたという形ですね。でも、HPをご覧になった方のなかにはそもそも就労移行というものを理解していない方が多くて、お話を聞いてみた結果、今この方に必要なのはLITALICOワークスではないな…という場合もあります。

 

 

 

ーー相談者の方にとって今必要なのはLITALICOワークスさんじゃない…となった場合はどういう対応をなさるんですか?

 

 

田中:様々な支援機関の方に適切に繋いでいくことを心がけています。

 

たとえば、働きたい気持ちはあるんだけれども、でも明日生きるためのお金にも困っているという状態の方。そういう場合にはLITALICOワークスで訓練を受けている時間がないので、まずは就労移行ではなく生活面のサポートをしてくれる行政機関にお繋ぎします。

 

また、体調などが安定していないけどサポートしてくれる支援機関がないという方の場合には医療機関とお繋ぎします。治療や体調安定の経過を辿って、長期的にLITALICOワークスを利用する計画を立てます。

 

まず生活基盤とか、財源、体調もですけど、そのあたりを整えるためにはいろんな支援機関を知っているということは、私たちにとって大切なことです。

 

 

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——いろんな機関とのチームプレーが支援の現場では大事なんですね。

 

次回はこの、本人にとって今最も必要な支援は何なのかを考える…という姿勢について詳しくお伺いしたいと思います。

 

 

 

第2回

知っておいて。誰かをサポートするとき、自分だけで解決しなくていい

 

第3回

他者との関わり方がわからない。それでも人間は関係性に生きている

 

 

 

 

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りたりこ1-2

 

 

 

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