被災地の声「もう限界です」

(50代、女性)

「もう限界です」

強ばった顔で、女性は開口一番におっしゃった。

狭い仮設住宅での暮らし、近隣住民への気遣い、夫の顔色をうかがう生活。

そうしたものに我慢の限界だと言うのだ。

夫が散歩に行っている間が、唯一ほっとできる一人の時間なのだそう。

「正直、ご主人がいなくなってくれれば」と思うこともあるという。

公営住宅移転までの一年間は、さぞや長く感じられることだろう。

「一年もあると思うと、しんどいんじゃないですか?」とおたずねしたところ、

「でも、あと一年、がんばります」と、明るい柔らかな表情でおっしゃられた。

ひとつひとつの気持ちを丁寧に受け取ろうとするなかで、いつしか気持ちが大きく変化していたことを目の当たりにした。

(安部智海)

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