時代は納骨堂から樹木葬へ。元・広告マンが提案するお寺とつながるお墓│大竹将人さん(株式会社MMC代表取締役社長)インタビュー<前編>

 

庭園墓「花楽苑(からくえん)」(写真提供:株式会社MMC)

 
――庭園墓「花楽苑(からくえん)」の特徴について、教えてください。
 
大竹:名古屋に東山霊園という、お寺が運営されている大規模な霊園があります。私がリニューアルのご相談を受けた当時は、一般墓の需要はほとんどない状況でした。私は、お墓に上がっていく通路をお墓に改装し、樹木葬を作りませんか、とご提案し、「花楽苑」が始まりました。傾斜面に樹木墓をつくることは、通常はあり得ないことですので、同業者からは絶対にやめたほうがよいと言われました。場所も名古屋の中心からははずれていましたが、地域の方に受け入れてもらえるだろうという確信がありました。いまとなっては95%が完売し、第三期の拡張分を現在販売中です。
 
これだけ売れた勝因は、庭園のデザインが優れており、墓地の手入れ(植栽の手入れ、墓石のふきあげ、清掃など)が行き届いており、いつ来てもきれいに保たれていることです。接客のレベルも究極のサービス業を目指していますので、他の霊園には負けない自信があります。予算的にも、納得して買っていただける金額に収まっていると思います。
私はお墓づくりをするときに、どのような形でお骨が納められているかも大事ですが、お参りされる方のことをよく想像します。 自分の最愛の人を納めたいと思えるお墓をつくっていきたい。そういう基準でお墓づくりをしています。
 

お墓がお寺さんとのご縁に

 
――お寺とも連携されているのでしょうか?
 
大竹:はい。弊社の樹木葬を購入される方は、無宗派の方が少なくありません。直葬など、宗教者を呼ばずに葬儀を済まされた方もおられ、法名(戒名)をお持ちでない方もたくさんいらっしゃいます。お寺の墓地に入ると、お寺とのご縁を持たなければいけないのではないかと敬遠される方もいらっしゃいますが、我々としてはお寺さんとできるだけ接触する機会を持っていただくようにすすめています。お布施を強制されることは好まれませんので、お布施が不要な場をご案内しています。
 
例えば、お彼岸の合同供養会などです。年1回、お寺の本堂で供養のお経をあげていただきます。お経だけでなく本堂で、音楽のイベントなどもします。ご住職もありがたいお話をしてくださいますので、お寺さんと出会ってよかった、というお声をいただくことがあります。直葬ですまされた方はお葬式のやり直しはできませんが、法名(戒名)の授与を希望される方は増えています。また、それまでお寺さんを呼ばなかった方が、葬儀にお寺さんを呼ぶようになったという事例もあります。このような流れを継続するために、お寺さんが主体となってイベント等ができる体勢を、我々もサポートをしていきたいと思います。
 
――お寺が樹木葬の導入を検討する場合、土地や予算等はどの程度必要でしょうか?
 
大竹:極端な話、3坪程度でも樹木葬をつくることは可能ですが、その場合は絶景のロケーションや、特別感を感じられる場所である必要があります。
スタンダードな最小の坪数としては、30坪あれば、庭園の雰囲気ができます。合祀墓を除いて、500以上のお墓を提供できます。造成費用としては、2000万~3000万円で、付帯設備も用意できます。維持費としては、剪定や苔の張り替えなどの外部メンテナンス費用は年間30万円です。それに加えて清掃が必要です。ただし掃除については難しい作業ではありませんので、販売スタッフやお寺の方が作務として行っていただければ費用はかかりません。
 
インタビューは後編へ続きます。
 

   

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掲載日: 2022.06.13

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