「日本で一番『ありがとう』と言われる葬儀社」を目指して|株式会社ティア 代表取締役社長 冨安徳久さんインタビュー<前編>

 

ご遺族に寄り添い、故人様に寄り添う

 

祭壇の設営(写真提供:株式会社ティア)

 
ーー御社の特色を教えてください。
 
冨安:「葬儀会館ティア」の出店方針は直径3キロを商圏に設定し一定の範囲に集中して会館を展開するドミナント戦略を取っています。近い範囲内に集中して出店することで、会館の相互補完性を高め、約80%の稼働率と商圏内でのシェアを獲得しています。
「葬儀会館ティア」は直営だけでなくフランチャイズでも展開しており、フランチャイズを希望する企業様に対し、葬儀ビジネスへの参入のお手伝いと当社が培ったノウハウを提供しています。介護事業所をはじめ、鉄道会社、ブライダル事業等の異業種の事業会社が加盟しています。
 
また、従来の積立金制度の葬儀社の在り方に疑問を感じ、独自に「ティアの会」という会員制度を設けました。「ティアの会」は、一回限りの会費の支払いで、大きな特典を設け、しかも会員本人以外も利用できるようにしました。
当社のサービスの特色は、ご遺族に徹底的に寄り添うことです。そのために当社では、何のために葬儀を行うのか、誰のために行うのか、という心のあり方を社員に教えています。
 
たとえ故人様と生前に会ったことがなかったとしても、故人様と一緒に時間をともにしたご遺族のお話をしっかりとお聞きし、故人様の人柄や趣味等を確認します。ご遺族に寄り添うとともに、故人様にも寄り添うのです。たとえば、釣りがお好きだった故人様なら、釣竿や魚拓を飾ったりしたこともありました。昔のことを思い出してもらい、葬儀の場で、故人様の生前の姿が再現されることが理想です。たとえ生前は故人様とご遺族の仲が良くなかったとしても、最期は感謝の気持ちでお別れをしてほしいと思います。
 
ティアでは「哀悼と感動のセレモニー」を提供する事を経営理念に掲げていますが、本気で感動を届けようと思うなら、手間がかかることも省略せず、手を抜かないことです。ご遺族のためにできることをどんどん行うよう推奨しています。そして、社内で感動葬儀の実例を共有しています。これらの知見を積み重ね、ひとつひとつの葬儀において、私どもは徹底的に寄り添います。その姿勢に感動した方は、リピーターになり、再び会館へ訪れてくれます。
 
ーー葬儀の相談を生前にされる方も多くいますか?
 
冨安:当社では、25年前の創業当時から事前見積もりを打ち出し、なるべく生前に見積もりを取ることをお勧めしています。縁起でもないという考えの方もいますが、事前に大切な人との最期を考えておくことが大事です。何より、死を見つめることこそ、生を考えることですから、きちんと向き合うべきだと思います。
 
事前見積もりの場で相談を受ける内容は、お金の相談が多いのですが、お寺さんに関する相談も少なくありません。菩提寺がない方や、中には僧侶を呼びたくないという方もいます。葬儀に対する考え方が多様化しています。かつては、仏式であれば初七日が終わったときに必ず法話がありました。いのちのこと、人生のことをお話しする大事な機会なので、私は法話ノートを必ずつけ多くの事を学んでいました。時代が変わっても、亡き人を見送る気持ちだけは失ってほしくないと思います。
 

生前見積り(写真提供:株式会社ティア)

 
インタビューは後編へ続きます。
 

   

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掲載日: 2022.09.26

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