お寺で握力を測ってみませんか?|100 歳まで歩いて通えるお寺プロジェクトー大阪府幸教寺<前編>
すべての人を受け入れられるのはお寺だけだった
(画像提供:石原さん)
――活動理念はどういったものですか?
板矢:活動理念は「お寺で健康寿命の延伸をテーマに活動し、誰もが今の自分を大切にでき、心の余裕を他者にもおすそ分けし、より前向きな死生観を設ける機会を提供する。」というものです。
石原:そもそも、お寺はすべての人を受け入れられる場所だと思います。かつてのお寺は寺子屋であり、悩み相談の場でした。
つまり「老若男女を問わず誰もが自由に行き来できる共有地(コモンズ)」だったわけです。
それが、現在のお寺にはお葬式や法要のイメージだけが強く残り、私たちの世代ではお寺が非日常の場になっていますよね。 そこで、コモンズというお寺の本来の特性を活かし、健康寿命の延伸をテーマに活動していこうと思い、プロジェクトの理念に盛り込みました。
――共有地(コモンズ)として、他には公民館が挙げられると思いますが、お寺だけが持つ特徴や価値はなんだと思われますか?
板矢:公民館は主に地域住民が使う場所だと思います。一方、お寺はどの地域からどんな方が来られても受け入れられる場所ではないでしょうか。その意味で、誰でも受け入れられるのがお寺の強みではないかと思います。
――価値観が合う人だけではなく、違った価値観の人をも受け入れているのがお寺ということですね。
板矢:そうですね。そういう場所があるからこそ、その先に幸せな社会が待っているのだと思います。心が開いている状態に導けるのがお寺ではないでしょうか。
――多様を受け入れられる空間だからこそ、安心感が生まれるのかもしれませんね。
イベントにはどういう方が来られているのでしょうか?
石原:参加者は健康に対して関心の高い人、または友達に誘われた人が中心ですね。
――そのような方々には、何かきっかけがあるのでしょうか?
板矢:身体のどこかを痛めた方、家族と死別され、調子が悪くなって運動を始められた方、ご夫婦で一念発起して来られる方と、そのきっかけはさまざまですね。