「仕事運がありません」

≪本日の僧侶プロフィール≫

 

 

・ストレート僧侶

小細工なしに、真正面から想いを伝える熱い心を持つ。他人に厳しく接するが、それも相手を思うがゆえ。

 

・うどん系僧侶

出身地の影響もあってか、うどん中心の食生活を長年過ごしつつ、仏教研究にいそしむ。幼少期より中国渡来のものに強い関心を示す。

 

・グローバル婚活僧侶

グローバルな視点から現代の諸問題に取り組むと共に、自身の婚活にも余念がない。

 

 

 

≪本日の人生僧談≫

仕事運がありません

 

「仕事運がありません」

仕事運がありません。せっかく採用されても不況だから、人が足りてるからとシフトを減らされたりします。雇われてはいても仕事が入らないキープ状態で、常にバイトや派遣を4~5個掛け持ちしないと暮らしていけないのが悩みです。

 

 

 

 

グ:職場やシフト上の問題の可能性もあるかもしれないけど、この相談は単純に仕事運の問題として片付けていいのかな?何か別の原因があるように思うんだけど。

 

う:「運」といっても必然的なもの。仏教の教えからいえば、原因があってその結果があるんだから。「運が悪い」といって、物事の本質から眼をそらそうとするのは違うし、「運が悪い」の一言では片付けられない。

 

ス:仕事に対する適正やスキルがあるかどうかも問題。ちなみに相談者は精一杯の努力をしているのか。仕事に対する努力もせず、自分の境遇に対する不満を他人や運に責任転換して、本質的な問題を見ようとしないのは間違ってる。

 

グ:今はバイトをいくつも掛け持ちされてるみたいだけど、相談者は一体何がしたいんだろうか。仕事をするってことの本質は主体性に関わるものだと思うんだけど。

 

ス:そもそも仕事って何の為にするものなの?単に食べていく為だけにするものなのか、それとも喜びや楽しみの為にするものなのか?

 

う:目的を持たないことが一番の問題かもしれない。どんな目的を持って仕事に取り組むのか、そして得られた報酬を何の為に使うのか。それによって仕事に対する取り組み方は、随分変わってくるように思う。

 

グ:お金の為、家族を養う為、自分を高める為、夢を叶える為、いろいろあるけど、その目的によって取り組む姿勢や見える景色は変わってくる。僕は昔から考えることが好きだったんだけど、それだけでは到底生活していくことは出来ない。だから自分の特性を活かす為に研究者の道を選んだ。

 

ス:そうなる為の努力は当然必要だったよね。足りないところがあれば補わなければならないし、高めていく必要がある。相談者は自分の能力や立ち位置を、もっと相対化して確認することの出来る視点を持つべきなんじゃないか。

 

う:自分を相対化する視点を提供するのが、仏教の説く「智慧」。自分を絶対化して、固定化したものにしてしまうと、周りが見えなくなっていくし、どんどん自分を見失っていくことにもなる。むしろ相対化された自分を知ることによって、周りの意見を聞くことが出来たり、成長していくことが出来るようになる。

 

グ:問題の本質が主体的なものとして受け止められた時、仕事運とか職場に責任の所在を安易にシフトすることはなくなっていく。目標でも安定でも義務でもいいから仕事に対する目的を持ち、そこにやりがいを感じながら向き合って欲しい。その気持ち一つで自分は変われるし、周りの評価も変わってくるはずだから。

 

 

 

《中締め》

世の中には、「運」ということだけでは片付けられない問題がたくさんある。むしろ、問題の本質は自分の側にある場合のほうが多い。いまの仕事に対する自分の姿勢や考え方を見つめ直し、実際の行動に移すことによって、状況は大きく変わっていくかもしれない。