伝統芸能同好会〜文楽鑑賞①〜

相愛大学 伝統芸能同好会の平田かつきです。

これから能楽、歌舞伎、文楽など他にもたくさんの伝統芸能鑑賞をして、その楽しさをお伝えしたいと思っています。また、時には自分でも体験していきます。謡曲や落語などにも挑戦してみたいです。

とはいえ、実は、私は伝統芸能についてほとんど!全く!何も!知らない状態です。中学生の時テレビで偶然、能楽の吉野天人を観たとき「何!?この美しい衣装!このお面きれい!なになになに!?」と思ったのが、伝統芸能との出会いでした。そこから関連する本や解説本を読み漁り、他の芸能にも興味が湧き、実際に鑑賞しています。

毎回観に行く度にわくわくするのです。とても楽しみになります。どういうものなのだろう、とかその芸能についての歴史を知ればもっともっと知りたくなるのです。

不思議でなりません。衣装や細かい装飾品に興味を持ったはずが、自分が伝統芸能のどこに惹かれ、こんなにわくわくしているのがわかりません。ここまでハマってしまった不思議な魅力もこれから、鑑賞していき、体験していき、文章にしていき、見つけたいと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■初めての活動は文楽!

記念すべき伝統芸能同好会の第一回目の活動は「第30回 文楽鑑賞教室」です!

まず最初は、「日高川入相花王 渡し場の段」というプログラム。

道成寺伝説のお話です。でもあの有名な安珍は出てこない。出てくるのは船頭と清姫だけ。

川を表現している青いパネルと船と“日高川”と書かれた標のみの舞台。月明かりのみのはずなのに、清姫はよくここまで来れたなとちょっと疑問。

船頭に「向こう岸へ早く渡して!渡してよ!」というけど船頭は「喧しい!」と答えるのみ。仕舞いには清姫が「道成寺」というと「鰌汁」って…切り替えし早くて少し笑える!

今まで、恋愛とかしてこなかった清姫がステキな男性と出会って、結婚の話が出たなら恋しても仕方がないと思う。

一生懸命追いかけてきたのに、船頭にお金を渡して「この川を渡らせないでくれ」って言う安珍。船頭は「いくら恋焦がれてもムダムダ!」って恋する乙女にはひどすぎる。好きな人に突き放されるのは何とも言えない辛さ。最初から「最初から断っておけよ!安珍!」ってめちゃくちゃ思います。

清姫が川を渡るシーンはわっさわっさ人形が振られてたのだけれど、とても怖かった。雷が落ちて、川の流れがとても速くて、清姫の激しい嫉妬心がすごく恐ろしかった。途中蛇に変わるところもゾクッとしました。

高校2年生の時、母と道成寺に行き絵説き説法を聞いたことがありますが、その時も「このお話は現代でいうストーカー殺人事件です」って。昼ドラのどろどろの世界。確かに清姫は諦めが悪かったけどなんだか可哀そう。

私が知っている道成寺伝説といえば……

修行中の身の安珍が清姫の家に泊まって、結婚の話が出たから清姫がその気になってしまう。でも安珍は“修行中の身”で結婚ができない。だから、安珍は「帰りに必ず寄りますね」というけど寄らずに違うルートで帰ってしまう。いくら待っても安珍が来ないから清姫が勘付いて追いかけスタート!安珍のこと追いかけているうちに大蛇になってしまう清姫。道成寺に助けを求め、釣鐘の中に隠してもらうが、清姫はすぐに気付き焔で焼き殺してしまう。我に返った清姫は入水してしまう……

という物語だったはずだけど…調べてみたら違う!!!

まず安珍が“僧侶の振りしている親王”でしかも恋人がいる。天皇の跡継ぎ争いで殺されないように逃げている最中に清姫に見初められて、追いかけられて~私が知っている道成寺伝説~だったはずが実は安珍を殺そうとしてた人たちが清姫のせいにして殺して噂を立て、敵を油断させたかったらしい。なんだそりゃ。

こんな話より、誰かが言ってた清姫が美し過ぎて、好きになってしまいそうだから逃げるしかなかったっていう解釈の方が好き。清姫と同年代だから清姫の立場で考えてしまう。

でも、自分が恋愛するときには、清姫みたいにしつこくならないようにしたいな~。

 

《つづく》

   

Author

 

他力本願ネット

人生100年時代の仏教ウェブメディア

「他力本願ネット」は浄土真宗本願寺派(西本願寺)が運営するウェブメティアです。 私たちの生活の悩みや関心と仏教の知恵の接点となり、豊かな生き方のヒントが見つかる場所を目指しています。

≫もっと詳しく

≫トップページへ

≫公式Facebook

掲載日: 2013.11.13

アーカイブ