気軽に愚痴を言える社会をつくっていきたいー龍谷大学大学院生の木本さんにインタビュー

図3

 

「愚痴」はもともと仏教語で、煩悩の一つと示されます。一般的には悪口や弱音というようにネガティブに捉えられがちな愚痴ですが、愚痴を本音と向き合うポジティブなものと捉え、気軽に愚痴を言える社会を作っていきたいと考えているグチコレメンバーたち。

 グチコレ5代目の代表をつとめた木本晃英(きもとこうえい)さんに、仏教における愚痴の考え方、グチコレの活動の背景について、木本さんが何故グチコレに携わるようになったのかを教えてもらいました。

 今回は、愚痴の傾向などについて伺いました。 ※全4回の第3回です。

 

愚痴は自分と向き合う面がある

お坊さんとして大切なことを教えてくれる

お互いさまの関係性が生みだすもの

 

 

――聴くためのトレーニングを受けたりするんですか?

 

いえ、何か専門的な資格やトレーニングを受けているわけではありません。メンバーのなかには対人支援のNPOに関わったり、スキルを向上しているメンバーもいます。だけど、みんなが同様に専門的に学んでいるわけではありません。やりながら、聞くことを学んでますね。

 

 

――深刻な相談をされることはないんですか?専門的にトレーニングしていないと話す方も、聴く方も大変なことがありそうですね。

 

ときどき深刻と思われるグチはありますが、特別な対応やアドバイスはしておりません。

 

 

――そうか、確かに京都駅の下、人が行き交うなかで、そもそもそんなに重い相談はできないかもしれませんね。

 

とはいえ、重いグチ、軽いグチとこちらで分けるのではなく、フラットに聴くことで、どんなグチをこぼしてもいいんだという場所にしたいからです。深刻な悩みを抱えた来談者の方は長時間お話しになる過程で、ご本人が自分で気持ちを整理されていたりすることもあるので、お気持ちを察しながらそれを促しています。

 

できないことはしないよう気をつけています。カウンセリングなどのスキルは未熟ですので、専門の先生にご指導いただいたり、他の団体の相談窓口と情報交換をしています。相手の感情に注意するよう心がけて、活動終了後には、スタッフ同士の反省会で振り返りも行っています。

 

 

――そうか、あくまでもグチをこぼす場所なんですね。どんな愚痴があるんですか?

 

そうですね。路上だとラフな愚痴が多いんですけどね。「彼氏が教習所に行かない」というところから、カップルのわだかまりが自然に消えて行った。みなさん、すっきりされることが多いです。「次いつや」と言われることも少なくありません。

 

DSCF5359

 

――なんで、そんなすっきりするんでしょうか?

 

知らない人だから言える。

 

おそらく、普段なかなか愚痴を言えていないんでしょうね。関係ない人だから言いやすい。皆さん、誰かに聴いて欲しい思いがあるのかもしれません。僕も含めて、いまインタビューして聴いてもらって、とても気持ち良いです(笑)。

 

 

――愚痴って一体、なんなんでしょうか?今までは不満という感じだったと思いますが。

 

僕が一つ思っているのは「言い出せない本音」ですかね。

 

会社で嫌なことを言われても、言い返せない、けど仕事をやらないといけない。その時に言い出せない本音。来られる方も。暗い感じというよりも、明るい感じで愚痴を話されることは印象的ですね。話していくうちにだんだん暗くなっていくこともありますが。

 

 

――いい出せない本音!なるほど。確かにそうですね〜。

何か不満や、想いを抱いても、人間関係のことを考えてしまい、それを話す相手がいなくて、自分の中に溜まっていく。そんな感じがありますね。ちなみに、どんな愚痴が最近多いんですか?

 

就職活動、恋愛面。会社員だと、会社、上司のこととか。おじいさんおばあさんだと政治とかね。私の時代はこうやったーとか。独り言のように言って行かれる方もいますしね。

 

 

――こちらがしんどくなるくらいの愚痴ってありますか?

 

2人体制で聞くんですけど、1人とは全く違いますね。相槌とか、聞く時間や考えたりする時間が生まれるけど、1人だと集中しないといけない。1人の方が深く話せたりするっていう視点もあるかもしれません。

 

あとは、1人の方が重たくなりますね。これを3人で聞くと、会話になるんですが、1人だと深刻な悩みになりますね。グチコレのノリなら、複数人で聴くのが大切な気がします。

 

 

――何で、路上でされてるんですか?

 

特に路上じゃないといけないということではありません。実際にこれまでもイベントに呼ばれて出張させてもらったのは室内のこともよくありました。

聞く体制の上では個室の方がいいけど、路上というオープンな感じがいいですよね。

 

 

なるほど、路上だけではなく、イベントにも出張されてグチコレされることもあるんですね〜。

会社とかまちづくりの現場で、グチコレをしてほしいところとかありそうですね!

今後の展開が楽しみですね!!

 

 

グチコレについて>

グチコレとは「グチコレクション」の略称である。有志の活動者(グチコレクター)が、路上や飲食店、大学や行政施設など様々な場所で人々のグチ(愚痴)を無料で聴き、集め、それらを社会に共有していく活動である。現在、京都・大阪・東京での活動の他、各種イベントでグチコレしています。「活動実績」

 

メールアドレス:r.guchicollection@gmail.com

Facebookページ 「グチコレ

 

 

<関連記事>

●グチコレ「グチを聴くコツ〜できることとできないこと〜」

愚痴は自分と向き合う面があるー龍谷大学実践真宗学研究科の木本さんにインタビュー

お坊さんとして大切なことを教えてくれるー龍谷大学大学院生の木本さんにインタビュー

お互いさまの関係性が生みだすものー龍谷大学実践真宗学研究科の木本さんにインタビュー