【レポ】音楽を通して、当たり前とありがとうをみつめなおす。重要文化財・本願寺伝道院で響きあう音

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Shinran’s Day特別公演 at 伝道院 2019216

今回は「Thank you for…〜ありがとうの意味をたずねて〜」というテーマで公演を行い、来場者数は70名ほどでした。

 

 

この伝道院という建物は、普段は非公開となっており、今回の公演をきっかけに初めて来られた方も多かったようです。

伝道院は、普段は浄土真宗の法話を勉強する場として使われており、そこで音楽ライブを行うというのは非常に新鮮でした。

 

 

 

1人目の演奏は奥田章吾さん。寺×音楽 LIFE SONGSプロジェクトの代表でもあり、現在は龍谷大学大学院実践真宗学研究科の3回生です。

 

 

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お浄土という命のゆく先がある。亡くなった方にも有難うを伝えたいという気持ちを語り、彼の大学時代の音楽サークルの作詞作曲の「しゃもじ」と

また、ゲストボーカルとして梯妙花(かけはし たえか)さんを迎え、いきものがかりさんの「ありがとう」を歌いました。

 

 

 

梯さんは、学生時代の親友に「ありがとう」を伝えたいと語りました。

彼女の親友は、当初とてもネガティブに物事を考えがちでしたが、学校の先生の考えによってポジティブに物事を考えるようになったそうです。

そのエピソードに感銘を受けた梯さんは、新たな視点を見出してくれた親友や先生に「恩返し」をするだけでなく、「恩送り」ということを意識され、伝道院にこられた方々へ向けて歌われていました。

恩をいただいた方だけにとどまることなく、自分と関わる人たちへ一つひとつ「恩」を送っていく、つないでいけることの有り難さを感じました。

 

 

 

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3曲目は、Le Coupleさんの「ひだまりの詩」

ありがとうを伝える相手は思い浮かんでも、なかなか「ありがとう」を伝えられないのではないでしょうか?

 

「実家から離れているといった、時間的、距離的な都合もそうですが、この世で命を終えて会うことができない相手にありがとうを伝えるのはとても難しいものです。

それでは、亡くなった方へどうやってありがとうを伝えましょうか。

人は死んだら終わり、なんてことも聞きますが、本当にそうでしょうか。

 

この命終えれば、仏様のおはたらきによって、お浄土へと生まれさせていただくと聞かせていただいております。

お仏壇に向かえば、亡くなった大切な方に、『ありがとう』と手を合わすことができます」

 

彼のトークを通して、お仏壇へ手を合わせることの意味を考えされられました。

 

 

 

 

続けて、2人目の演奏は好井正智さん

 

1曲目は中島みゆきさんの「糸」

「布とは、縦横の糸が重なり合ってできており、横だけがあってもだめ、縦だけがあっても成り立たない。

このように、様々な方が出会いあって、大きなものが出来上がっていく、それぞれが成長して行く」

という、人々のつながりに『ありがとう』の意を込めてこの曲を選択されました。

 

 

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2曲目はMr.Childrenさんの「ひとりごと」を歌い、

3曲目は同じくMr.Childrenさんの「花の匂い」を歌いました。

彼は、昨年祖母を亡くしました。

当時はそのことを全く受け入れられなかったといいます。

 

「何かとばたばたする通夜葬儀では、何も感じられないでいました。

その後、お骨とお供えを目の当たりにして、ようやく祖母の死を実感。現実の厳しさを思い知らされた」

と語ってくれました。

 

「とても厳しいおばあちゃんだったけど、後になっていろいろなことを教えてもらったことに気づき、その時に自然と手が合わさった」

 

死を目の当たりにすると、とても不安になります。ですが、次の場所が定まっていると少しだけその不安が和らぐのではないでしょうか。

誰しもがお浄土で仏様に成らせていただくということが、浄土真宗の教えなのです。

 

 

 

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最後に、3人目の演奏は桐原俊哉さん

 

1曲目は、V6さんの「ありがとうのうた」

桐原さんは、「今に至るまでの全てにありがとう」というテーマを設けておりました。

彼は、中学生の時は自信が全然なく、また趣味もなかったそうです。高校に入り、音楽というかけがえのないものに出会い、今に至るとのことです。

 

多くの友達のつながりから、今、LIFE SONGSという企画に出会い、音楽を通して仏教を伝えていくことの楽しさを感じ、今日こうしてステージに立たれました。

 

好井さんの「糸」でもあったように、人々のご縁を突き詰めると、先祖1人でも欠けていたらこの場に私はいないのです。

それだけ人と人との繋がりというものはありがたいのです。

 

 

2曲目は、山下達郎さんの「希望という名の光」

彼も、好井さんと同じく祖母に対してのありがとうについて語りました。

 

93歳になるおばあちゃんは物事を忘れることが多くなり

「もしかすると、自分の顔も忘れてしまったのではないだろうか」

と、彼は言いようのない不安を感じたそうです。

 

それでも、遮られることのない阿弥陀様の光に照らされ、私の命もまた、他の誰かを照らすことができるのではないか

と話してくれました。

 

 

 

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最後には出演者全員でクロストークを行い、来場者も含め、みなさんで「ありがとう」の意味を考えました。

様々な思いや考えがトークの中で見出されましたが、特に印象に残っているのは、

「嫌いな人には「ありがとう」と絶対に出てこない。」

ということです。

たとえ嫌いな人であっても、素直に「ありがとう」と言える自分になりたいものです。

 

 

そして、昨今では人間関係の希薄化といったことが囁かれています。また、一人でいる方が楽だなんて意見もよく聞くようになりました。

しかしながら、人は誰かと支え合いながら生きるのです。それをご縁とも言いますが、このご縁を「当たり前」と思わず「ありがたいもの」

と考えることは、とても大事なのではないか、そのように考えさせられる公演でした。

 

 

LIFE SONGSスタッフ 天﨑仁紹(龍谷大学実践真宗学研究科3年生)

 

 

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