一人ひとりの想いを歌に込めて。|奥田×及川「時のかけら」を語る⑤

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全5回にわたってお届けするLIFE SONGSオリジナルソング「時のかけら」対談企画。最終回となる今回は、CDのジャケットやMVについて、奥田さんと及川さんにお話ししていただきました。
楽曲やレコーディング同様、CDやMVにも様々なこだわりや裏事情が隠されておりました。是非、お持ちの方はCDを眺めながら、そしてMVをご覧になりながらお楽しみください。

 
Profile
 

奥田章吾(おくだしょうご 以下:奥田)北海道出身。2019年まで龍谷大学実践真宗学研究科に在籍しながら「LIFE SONGS」の活動を実施。現在は西本願寺の勤式(ごんしき)指導所で、勤式作法を学ぶ。サッカーと音楽が好き。あだ名は「おくちゃん」。

 

及川良生(おいかわよしき 以下:及川)北海道出身大阪育ち。2016年龍谷大学卒。現在は音楽活動も若干しつつ会社員として日々を送る。奥田とは学部時代(大学時代)に在籍していたアコースティックギターサークルで知り合い、同じ北海道出身ということもあり、良き音楽仲間となる。札幌龍谷高校出身で、恩徳讃も歌える。あだ名は「おいちょ」。

 

インタビュアー(以下:イ)兵庫県出身。2019年まで龍谷大学実践真宗学研究科に在籍。写真・動画撮影や編集を得意とし、「時のかけら」のCDやオリジナルMVの制作に協力した。楽器を演奏した経験は無い。
 
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イ:CDのジャケットはどのようなところをこだわりましたか?
 
奥田:やはり、ジャケットを見て買われる方もいらっしゃると思うので、インパクトがあるジャケットを制作しようと思っていました。また、お坊さんは積極的に社会に出て、社会の苦しみを見つめるべきだという想いもあり、袈裟(僧衣)を着て撮影に臨みました。
 
及川:CDジャケットとしては斬新かもしれないね。
 
奥田:そうですね。場所も、ジッセンジャーの撮影など、大学院の他活動でも使用されたということで、思い入れのある龍谷大学の大宮学舎を選びました。ディスク撮ったところの背景も、大宮学舎の守衛室のレンガ壁だったりと、細かなところにもこだわっています。
 
イ:「時のかけら」の文字もこだわりましたよね!
 
奥田:これはサダヲ(奥田英樹さん)の直筆です。やっぱり、手書きの文字だと想いが伝わるのではないでしょうか。私の好きなアーティストも歌詞を手書きしていて、その方のこだわりや想いを感じることができましたね。
 
image4「時のかけら」CDジャケット。大宮学舎を背景に、奥田章吾さんが写る。写真の切り取り方を熟考した。右下は奥田英樹さんの直筆。市販のフォントでは出せない味がある。
 
イ:一つの形にすることで、想いが詰まっていることを実感できますね。
 
及川:今は楽曲配信サービス(サブスクリプション)が主流になってきて、CDに触れる機会が減りましたよね。ですが、あえてCDという形にすることに大きな意味があると思います。
 
奥田:確かに楽曲配信サービスは時代に合った形だと思いますが、こうして形にするからこそ、持つ価値もあるではないでしょうか。
 
イ:作る側も一つの思い出として残りますよね。
 
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イ:MVにはどのようなメッセージが隠されているのでしょうか?
 
奥田:MVには、「会うことの大切さ」というメッセージを込めました。現代はSNSやメールで用件を伝えられます。つまり、指先を動かすだけでコミュニケーションが取れるのです。
しかし、ちょっとした要件を伝えるだけでも、実際に会うことで、相手の身体や心の調子や細かな感情の機微を感じ取れることがありますよね。
でも実際のところ、会うというのは大変なことで、特に理由がないから会わないということもあるのではないでしょうか。
だけど、いつ会えなくなるか分からない人生だから、会いたいと思った時に会いに行くことが本当に大切なことなのではないか思っています。MVで伝えたかったことの一つです。
 
一方で、どうしても会えないこともありますよね。お互いの物理的な距離が近くても遠くても、時間やお金がなくて、インターネットやメールでしか会話できないことが現実にあるのではないでしょうか。でも、会えないからその人同士の関係が途切れるわけではなくて、「会えないけどちゃんと人間関係は繋がっている」ということも伝えたかったのです。
 
なので、MVでは忙しい中で、久しぶりに再会する友人同士が心を通わせる場面や、一方でどうしても都合がつかず会えなかった友人を表現しました。是非、彼らの関係性にも注目していただければと思います。
 
イ:今回の活動を通して、私たちもそれを学ぶことができましたよね。
 
奥田:そうですね。私たちは単なる仲良し集団ではなくて、距離的にも立場的にもそんなに頻繁に会える間柄ではありません。LIFE SONGSや「時のかけら」があったからこそみんなと会えたんだと思います。なので、一つ一つの活動が大切な思い出ですね。
 
そして、YouTubeでMVを公開した後、しばらく会っていない友人から「MVで久しぶりにみんなの顔を見られてよかった」と連絡が来ました。改めて、会えてはいないけど僕らの関係はきちんと繋がっているということを実感しましたね。
 
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イ:MVの見どころはありますか?
 
及川:MVには私も出演したのですが、迫真の演技をさせていただきました(笑)
 
イ:あの撮影現場は過酷でしたね……。
 
及川:そうなんです。私が会社員役で、屋外のベンチで電話をするシーンがあるのですが、その撮影がマジで寒かった(笑)。大阪のビル街でロケを行ったのですが、真冬で、しかも風が台風並みに強かったので、とにかく震えながら演技をしていました。電話口で怒られているという設定だったので、結果オーライです。
 
image2大阪のビジネス街での一コマ。真冬のビル風が吹き付ける中、撮影が行われた。寒さで及川さんも撮影者(インタビュアー)も震えが止まらなかった。
 
イ:図らずも名演技が生まれましたね(笑)。他には見どころはありますか?
 
奥田:私を含め、MVに出演しているメンバーは全員演技を経験したことがないので、その意味では一つ一つが見どころかもしれません。演技は楽しく、私たちも親密になれましたし、何より撮影自体が貴重な体験でした。MVを見た方が、それぞれの大切な人と、大切な時間を過ごせているか?を問い直すきっかけになればと思います。
 
イ:作詞作曲からMV撮影まで、改めて振り返ってみた感想をお願いします。
 
及川:とにかく、最後までやれて良かったです。おくちゃん(奥田さん)に誘ってもらわないと曲も書いていなかったし、私自身の音楽活動でこうしたテーマを取り扱うこともなかったと思います。その意味では貴重なご縁でした。そして、最初の打ち合わせからレコーディング、MV制作まで、一貫してみんなで作り上げられたのが本当に良かったです。
 
奥田:私もやれて良かったというのが正直な想いです。こうした企画を最後までやり遂げるのは大変で、ぼくも半ば強引に段取りを組んでしまいました。なので、メンバーには苦労かけたこともありましたが、一つの形にできてよかったです。
 
イ:最後に、皆さまに向けてメッセージをお願いします!
 
奥田:まずは聞いてください!この曲はすごく良い曲なんです。一度だけでなく、何度も聞いてもらったら、どんどんこの歌の良さを感じ取れるのではないかと思います。
 
私がお坊さんとして何が出来るかを考えたときに、メッセージをCDという形にして世に送り出すことが一つの答えでした。
私たちは一人ひとりは別々の存在で、お互いが一つになることは出来ないし、苦しんでいる誰かに、他の誰かが都合よく交代することも出来ないのです。
ですが、LIFE SONGSの活動を通して、一つにはなれなくとも、響き合うことなら出来るんじゃないかと感じました。
私も皆さまも、仏さまに願われた存在なのです。「共に願われた存在である」という関係があるからこそ響き合えるのかもしれません。「時のかけら」を通して、共に願われている身であることを感じ取ってもらえれば嬉しいです。
 
及川:今回の「時のかけら」プロジェクトは、本当に色んな人が携わりました。
当たり前かもしれませんが、声に出して歌っている時の声はみんな違っていて、それぞれの個性が溢れています。是非、みんなの歌声をよく聴いてみてください。
 
それと、今回は歌詞に「鴨川」という地名を取り入れました。
私は、これまで歌詞に特定の地名は入れたことがありませんでした。地名が出るとイメージが固定化されてしまい、歌詞が聴く人のストーリーに沿わなくなるかもしれないからです。
ですが、私は4年間の大学生活で、京都という街で育ててもらい、鴨川でも沢山のご縁がありました。そんな想いがあって、あえて鴨川という地名を歌詞に取り入れたのです。
もちろん、この曲を聞いてくださる方は全国にいらっしゃると思います。鴨川を思い起こしても良いですが、それぞれが自分の街に思いを馳せて、それぞれの解釈で聞いてもらえれば良いのではないかと思います。「鴨川」がみなさんの地元の川に置き換えられても面白いですよね。この曲が、聴く人の解釈によって成長していくと嬉しいです。
 
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全5回にわたって、楽曲制作からMVの配信まで、色々な裏話をお伺いしました。改めて、奥田さん、及川さんはじめ、多くのメンバーの想いや努力を感じ取ることができました。
 
制作に携わったメンバーひとりひとりの人生や思い出がこの曲には詰まっています。そして、この曲を聴いた方々の想いが詰まることで、その方ならではの「時のかけら」が出来上がります。
 
是非、あなただけの「時のかけら」を味わってみてはいかがでしょうか。

 
 
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「時のかけら」はLIFE SONGS公式ホームページで販売中です。詳細はこちらをご覧ください。また、MVはYouTubeで公開中です。こちらもあわせてお楽しみください。
【LIFE SONGS オリジナルソングMV】時のかけら – 清風バンド
 
 
掲載日: 2020.02.29