日本初!?死を語る「デスカフェ」の見本市を開催


 
「死」について、お茶を飲みながらゆっくりおしゃべりしたことはありますか?
 
 
死についてカジュアルに語る場「デス(Death)カフェ」。スイスから始まったその動きは、ここ数年で日本にも広がりを見せ、日本特有の形で定着しつつあります。
 
今回、全国各地でデスカフェを主催する団体が連携し、9月21日〜27日の期間中、毎日オンラインでデスカフェが実施されます。日本で初めてのデスカフェ見本市「DeathCafeWeek(デスカフェウィーク)」をご紹介。
 
 
仏教や社会について想いを巡らせ、仏教を軸とし、お寺の空間・人材・教えを活かして、色んな活動が何かできないだろうかと集まった、有志若手僧侶グループ「ワカゾー」。
私たちは、2015年よりデスカフェを開催し、これまでに50回以上開催し、500名以上の方にご参加いただきました。
 
この、死について語り合う「Death Cafe(デスカフェ)」は、2004年に、スイス在住の社会学者であるバーナード・クレッタズ氏が妻の死を契機に、「死」についてカジュアルに話す会を開いたことが発端だったと言われています。そして、今では「デスカフェ」として、世界各国で行われるようになったそうです。
 
対話カフェTokyo ~Yokohama~
 
 

看護師、図書館司書、僧侶などがデスカフェを実施

 
現在、日本では実に様々な形、全国各地でデスカフェが開かれています。
僧侶、看護師、心理カウンセラー、図書館司書、介護士、終活コーディネートをしている葬儀社などなど、様々な職種の方々が、それぞれの想いによって実施されています。
 
日本で広まりをみせるデスカフェですが、主催者同士の交流がありませんでした。
そのため、それぞれの主催者がネットでの情報を参考に、ときに独自のエッセンスを織り交ぜながら実践されています。
 


 
 

全国津々浦々のデスカフェを調査

 
それぞれが全国各地で思い思いに開催しているデスカフェでしたが、その可能性に期待を寄せるデスカフェ研究者がいらっしゃいました。2019年より、京都女子大学に赴任された吉川直人先生です。
 
吉川先生のご専門は高齢者福祉ですが、様々な現場をみるなかで、死をも視野に入れた福祉の必要性を痛感。多死社会に向けて多くの可能性を秘めたデスカフェに魅了され、全国各地のデスカフェ主催者のもとを訪れ、調査研究を進めておられます。
ワカゾーが主催するデスカフェにも参加していただき、何度か意見交換する機会に恵まれました。(ワカゾーのデスカフェの様子はこちら
 

「Deathカフェを実施している主催者の皆さんは、横のつながりもないなかで、情報やノウハウ共有もなく、孤独に悪戦苦闘しながら、それでも大切なことだからとの心意気で実施しているように感じています。私も色んな主催者の方とお話して、へぇーそんな方法もあるんだとか、そんな工夫があるんだなとか感心することばかりです。主催者同士が交流し、ノウハウも含めて意見交換できる場があれば⋯⋯。もっとそんな場が広まってほしい」
 
そのような吉川先生の提案を受けて、全国各地のデスカフェ主催者で、交流の場をつくりました!
 
 
「青森弁のカードゲーム?!特養でのデスカフェ?!なにそれ、面白すぎる!」
 
「棺桶体験って、そんなに良いんですね!」
 
「デスカフェをグラレコ(グラフィックレコード)*1 してるんですか!なるほど、その手もありましたか!」
 
「お寺でデスカフェは相性良さそうですねー」
 
「やっぱり集客は大変ですよね…」
 
 
様々な主催者の事例や工夫、困りごとを共有する場を何度かつくるなかで出てきた次なるアイデア。
 
「みんなで協力して、デスカフェ祭りをしたいですねー!」
 
 
度重なる打合せを重ね、今回形になったのが、日本で初めてのデスカフェ見本市「DeathCafeWeek」です。
 

 
全国各地でデスカフェを主催する団体が連携し、期間中は毎日オンラインで実施。日本で初めてのデスカフェ見本市です。
 
もちろん、今回、参加されるデスカフェが日本の全てのデスカフェではありません。
また、デスカフェという名前ではないにしろ、「死を語る」「死について考える」会など、死にまつわる企画は全国各地で実施されています!死を語る時間をもつ企画も増えてきているようです。
 
この度は、全国でデスカフェを主催している10団体が連携し、特別講演なども含めて、一週間で19のイベントを開催します。オンラインデスカフェの実施、多様な実践事例の紹介、終末期ケアに関する講演会、自殺対策のための取り組みといった色とりどりの内容をオンラインで開催します。
 
*1 グラフィックレコード:議論や対話をその場で整理し、グラフィックとしてわかりやすく可視化する方法
 
 
 

弔辞のワークと死生観光トランプ

 
私たちワカゾーは期間中2つのデスカフェを実施します。死生観光トランプをつかった初のデスカフェも実施します!(死生観光トランプって??
 
 
ワカゾーのイベント情報はこちら↓↓
▷DeathCafeWeek #09 『ワカゾーのデスカフェ ~弔事をつくってみる~』

 
▷DeathCafeWeek #10 『ワカゾーのデスカフェ ~死生観トランプで遊ぶ~』

 
 
また、DeathCafeWeekの期間中、自死・自殺に関連するイベントも企画しています。9月10日の世界自殺予防デーにちなんで、毎年9月10日から16日までの一週間を「自殺予防週間」と定め、国や地方自治体では啓発活動が行われています。日程は少しずれますが、その取り組みに賛同し、自死・自殺について考える人が話し合う場も設けています。
 

『下手くそやけどなんとか生きてるねん。』渡邊洋次郎さんのおはなし

 
ゲストは、かつて依存症治療のために精神科病院の入退院を48回繰り返した渡邊洋次郎さん。最初に手を出したのはシンナー。中学2年の時に不良仲間にそそのかされたのが始まりだったそうです。
現在は自らの経験をもとに依存症回復施設で生活支援員・介護福祉士として勤務。その半生を綴った『下手くそやけどなんとか生きてるねん。』が話題となり、テレビや新聞などでも取り上げられています。
 
コーディネーターはワカゾーメンバーであり、認定NPO法人京都自死・自殺相談センター事務局長の霍野廣由。DeathCafeWeekのなかでもイチオシの企画です。
 
▷DeathCafeWeek #17 『下手くそやけどなんとか生きてるねん。』
(特別講師:渡邊洋次郎)

 
 
全国各地のデスカフェ実践の紹介を行いながら、参加者の皆様と共に、今後の展開のさらなる可能性を検討し、さらなる広まりと「ゆるやかなつながり」を作るためのチャレンジです。
 
9月21日(月)〜27日(日)の朝から晩まで、Deathにまつわるイベントが目白押しです。気になるイベント、参加できそうな時間帯を選んでご参加ください!
 

 
 
▼概要
日程:2020年9月21日(月)〜27日(日)
参加費:各回500円(無料の会もございます)
Peatix(申込みページ)▼
https://deathcafeweek.peatix.com/
公式WEBサイト▼
http://deathcafe-week.mystrikingly.com/
noteページ▼
https://note.com/deathcafeweek

   

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掲載日: 2020.09.22

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