「前に付き合ってた恋人が夢に出てきて眠れません」
≪本日の僧侶プロフィール≫
・サブカル僧侶
TV・マンガ・音楽などの現代のサブカルチャーに造形が深いが、僧侶として「温故知新」の精神も忘れることがない。
・コンサル僧侶
10年間、企業コンサルタントとして活躍するが、自身の人生を改めて振り返った時に、利益至上主義の生き方に限界を感じ、一念発起。僧侶となる。
・サイバー僧侶
お寺生まれIT育ち。趣味が高じてIT業界に進むも、自らの使命に気付き僧侶の道に。最新機器への物欲が目下の悩み。
≪本日の人生僧談≫
「前に付き合ってた恋人が夢に出てきて眠れません」
以前に付き合っていた恋人が夢に出てきて眠れません。どうしたらいいでしょうか?
サブ:相談者は過去の恋人のことを、忘れたくて眠れないのか、会いたくて眠れないのか、どっちの意味で眠れないんだろう?
サイ:忘れようとして眠れないんじゃないかな。僕も同じ様なことで眠れなくなったことがある。僕の場合はフラれてそうなりましたけど(笑)。
コ:僕は経験ないけど、眠れないっていうのは、自分の中にそれだけ相手に対する思いが強く残ってるってことだよね。
サイ:でも昔のことばかり考えてても、前には進めないよね。停滞感というか、そこに発展性が感じられない。
コ:何か夢中になることに打ち込むのがいいかも。昔の恋人のことを忘れるくらいのインパクトや充実感を得ると、考え方の方向性も変わってくると思う。
サブ:考える時間があるのなら、とことん考えてもいいと思うけど、これって考えても深まっていく内容ではないよね。むしろ、過去に引きずられて捕らわれていくだけのように思える。
サイ:自分だけが止まっちゃってる状況なのかも。けどみんなの時間は進んでるし、当然昔の恋人の時間だって進んでる。何年後か先、昔の恋人に出会った時、いまより魅力的な自分になっているように、自分磨きをしておくことが大切だと思う。
サブ:恋人といつ別れたのかは分からないけど、どこかで新しい人との出会いや新しいチャレンジを自分からつくっていく必要がある。いまよりも先に進んだ時に、冷静に過去の自分や出来事を整理することが出来ると思うから。
コ:僕らの人生って過去に出会ったいろんな人と一緒に生きてるものだよね。だから過去って間違いなく自分の一部。もしかすると「未来へ向けて」とか「前を向いて」っていう言葉のほうが、耳なじみのいい言葉に聞こえるかもしれないけど、人って前を向くだけで生きてはいけないよ。
サイ:過去を捉え直すことって生きていく上でとても重要。過去に起こった出来事を変えることは出来ないけど、その意味を変えていくことは出来る。そうなると、忘れたいような過去の経験や思い出も固定的なものでなくなってくるから。
サブ:忘れようと思っても、忘れられないのが人間。無理に忘れようとするのではなくて、その人が自分の人生にどんな気付きや成長を与えてくれたのか、そのことを一度じっくりと考える時間を持ってほしいよね。
コ:安易に過去を否定したり、過去に縛られるのは良くないことだけど、過去と一緒に生きている自分であることを大切に、前に向いて進んでいってほしい。
《中締め》
忘れるという単純なリセットではなくて、過去と共に進んでいくことが本当の発展や成長とよべるかもしれない。そんな自分になれば、過去の振り返り方も変わるし、夢の中の恋人の存在も変わってくるはず。