「平常心を保つにはどうすればいいですか?」【みんなの人生僧談】
・サブカル僧侶
TV・マンガ・音楽などの現代のサブカルチャーに造形が深いが、僧侶として「温故知新」の精神も忘れることがない。
・コンサル僧侶
10年間、企業コンサルタントとして活躍するが、自身の人生を改めて振り返った時に、利益至上主義の生き方に限界を感じ、一念発起。僧侶となる。
・うどん系僧侶
出身地の影響もあってか、うどん中心の食生活を長年過ごしつつ、仏教研究にいそしむ。幼少期より、中国渡来のものに強い関心を示す。
・サイバー僧侶
お寺生まれIT育ち。趣味が高じてIT業界に進むも、自らの使命に気付き僧侶の道に。最新機器への物欲が目下の悩み。
緊張したり、ドキドキした時の、上手な心の保ち方はないでしょうか?小心者で平常心が保てないので、何か良い方法があれば教えてください。
コ:心の保ち方か。この点についていえば仏教ではどういうふうに考える?
う:心のはたらきは当然、何かしらの対象物と関係している。目とか耳といった感覚器官の対象が私の前にあるから心にも影響する。だから心を乱す対象物が近くにあるんだったら、そこに自分がいなければいい。まずそこから離れる、避けるというのが基本的な考え方。
サブ:まぁ、世俗社会から完全に出家して修行生活を送るんだったら、その方法も有効なんだろうけど、我々の現実生活はそうもいかないよね。
サイ:けど、どうして緊張しちゃいけないのかなぁ。緊張したりドキドキして不安になったりするっていうのは、ごく自然な感情だと思うけど。
コ:やっぱりスマートに格好良く生きたいからじゃないの。それに緊張すると、視野が狭くなったり余裕がなくなったりする場合があるから、克服したいと思ってる人は結構いる。
サブ:ちなみにそういう心って、緊張する場面や経験を重ねていけば、なくなったり、平常心を保つことが出来るようになるんだろうか?
う:ベテランの大物歌手や大物俳優も、本番前は緊張して大変だっていう話を聞いたことがある。どんな人でも大なり小なり緊張したり、ドキドキする心は存在すると思うよ。
サイ:緊張感のもっていきかたによって、結果も変わってくると思うけど、例えば心を落ち着かせる、平常心を保つ具体的な方法ってある?
サブ:周りの評価をあまり気にしないこと。周りの評価に目を向けすぎると、本質を見失ったり、自分のしたいパフォーマンスが出来なくなる。
コ:当たり前のことだけど、当然、準備やイメージトレーニングは念入りに行っておく必要がある。準備は決して成功を保証するものではないけど、後悔は少なくなる。やっぱり努力のないところに成功もないから。
う:成功とか失敗も実はいろんな意味で解釈することが出来る。失敗のない人生もないし、失敗を避けるだけの人生も少し違うと思う。努力した上で失敗したり負けた時に、そこから何を学ぶのかという視点も大切。
サブ:緊張してるってことは本人がそのことを大切にしてるっていう証拠だし、緊張してる姿を見て、周りも怒ったり、嫌な思いはしないんじゃないかな。
サイ:好きな人に告白する時なんかそうだよね。リラックスし過ぎてるよりもドキドキして緊張してる方が、応援してくれたりむしろ好意的な目で見てくれることがある。
コ:それに平常心を保つことだけに意識を奪われるのでなくて、本番当日をどう迎えたのか、そして出てきた結果をどう受け止めるのか、といった側面にまで意識を広げてみるのもいいかも。
緊張は誰でもするし、平常心を保つことは誰もが簡単に出来るものではない。むしろ、自分は大事な本番をどのような準備をして迎えたのか?そして結果をどのように受け止めていくのか?そのことに意識を向けることが、あなたの心持ちに良い影響を与えてくれるかもしれない。
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他力本願ネット
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掲載日: 2014.03.26