「もう行きたくはないかな、滝行…」東京グチコレ No.002
「もう行きたくはないかな、滝行…」
【僧侶のコトバ】
「滝行に行ったことがあるんです」と、お話くださった来談者さま。数名での旅行の際にされたそうで、「滝行を終えたあとは何だかすっきりした感じだった」と当時の様子を教えてくださいました。
しかしその一方で、「でも、もう行きたくはないかな」、「そのときはすっきりする感じがしても、またすぐストレスはたまる」などともお話して くださいました。無くそうとしても無くそうとしても、無くならないストレス。どう受け止めていくかということは、西原師のおコトバ(下記)をご覧ください。(藤)
「修行はしないんですか?」とのご質問をいただきました。修行体験は、 日常生活と離れて自分を見つめる良い機会になるかもしれません。様々な行を通して、「我」を砕いていくことが修行です。我とは「とらわれ」です。仏教では、とらわれが苦しみを生むと説きます。
ストレスがたまるといっても現状を変えることは難しいですから、自分が変わるしかありません。変わるといっても出世や資格を取るとかいうことではなく、とらわれから離れること、すなわち自分のものの見方を変えることです。
浄土真宗では、仏様のお話しを聞く「聞法」をとても大切にします。聞法とは、仏様のお心に照らして自分のすがたを見つめることです。聞法を重ねると、多くの人やもののおかげで生かされている、ということに気づかされます。そんな広い世界に目が開かれると、苦しんでいるのは私一人じゃない、腹が立ってもお互い様と、柔らかな心が育てられていくのです。
特別な修行をしなくても、私が変われば、毎日の生活のささいなことにも感謝が生まれるでしょう。そんな心の持ち方ひとつで、人生がより豊かなものになりますよ。(西)
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他力本願ネット
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掲載日: 2015.05.12