個人主義の時代。後ろ姿で伝える利他の心。│株式会社はせがわ代表取締役社長新貝三四郎さんインタビュー<後編>

 

(写真提供:株式会社はせがわ)

 
――お寺や僧侶の役割は何でしょうか?
 
新貝:僧侶は生きる希望を与えてくれる存在だと思います。「阿弥陀様は決して見捨てないですよ。」というメッセージは、生きる糧になるはずです。お寺には近寄り難い雰囲気がありますが、場の設定次第で、訪れる方はたくさんいらっしゃると思います。葬儀において最近は葬儀社が取り仕切っていることもあり、僧侶のご法話がないケースが増えているようですね。仏教の話を求めている方もいらっしゃいますので、たとえわずかな時間でも、傷心しているご遺族に語りかけていただければ有り難いと思います。
 
――僧侶がお仏壇業界と連携できる可能性はありますか?
 
新貝:お仏壇を販売したあとのアフターフォローが大切だと思いますので、たとえばご法事の場で僧侶の方に仏事の意味についてお話しいただけると有り難いですね。また、弊社で仏教や仏事の講座を開催する際などに、ご協力いただきたいと思います。いずれにせよ、従来の形にとらわれず、宗派や業界の垣根をこえて、協業していければと考えております。様々なチャレンジを通じて、日本人が本来持っている「お蔭さま」やありがとうの心を、あらためて喚起していきたいです。
 
――今後の展望を教えてください。
 
新貝:お仏壇販売は単なる小売業ではありません。お仏壇を家にお迎えしたそのときから、ご遺族にとって大切な場所になります。日常生活の中で、つらいこと、悲しいことがあったときにそこに座ることで癒されるような、手を合わせる空間を提供したいと考えています。日本人が失ってはいけない仏教的アイデンティティを、我々世代から次の世代にバトンをつなげる責任と使命を感じています。
 
――本日はありがとうございました。
 

プロフィール

 

新貝三四郎氏(株式会社はせがわ 代表取締役社長営業グループ長)
1963年08月19日生まれ。1986年、株式会社はせがわ入社。1998年、同東海事業部長。2002年、同東京企画総務部長。2005年、同物流管理部長。2009年、同理事葬祭事業グループ開発部長。2010年、同理事営業グループマーケティング部長。2011年、同理事マーケティンググループ東京営業部長。2013年、同執行役員マーケティンググループ東京営業部長。2014年、同執行役員寺社聖石グループ墓苑開発部長。2017年、同執行役員マーケティンググループ提携推進部長。2020年、同執行役員営業グループ長。2020年、同取締役上席執行役員営業グループ長。2021年、同代表取締役社長営業グループ長(現任)。
   

Author

 

他力本願ネット

人生100年時代の仏教ウェブメディア

「他力本願ネット」は浄土真宗本願寺派(西本願寺)が運営するウェブメティアです。 私たちの生活の悩みや関心と仏教の知恵の接点となり、豊かな生き方のヒントが見つかる場所を目指しています。

≫もっと詳しく

≫トップページへ

≫公式Facebook

掲載日: 2022.01.14

アーカイブ