「いつもの生活習慣を見直してみる」ー寺子屋あしたデザイン
最近なんだか体調がすぐれない……としんどさを感じてらっしゃったりはされませんか。春と言えば、少しずつ温かくなり過ごしやすい季節であると同時に、花粉症や、大きな体調の変化に悩まされる人も多い季節とも言えます。
今回は、3/15(木)に京都市のお寺さんで実施された
「お金をかけない東洋医学講座東洋医学の基本の『き』~春のよそおい~」について
少しだけレポートしていきたいと思います。
講師は鍼灸師の坂部昌明先生。導入では、この春めいてくる時期を東洋医学的にどうみるのかということをお話くださいました。
—東洋医学からみた春と私たちのからだ
春めいてくるころ、人の身体には大きな変化が起こります。冬から春にかけての身体の変化は、秋から冬にかけての変化よりもダイナミックであると言われます。まさに、まいた種が殻を破り、幼い葉が土をも押し広げて力強く地表に顔を出す様なダイナミックな変化です。この時期は、特に養生が重要であるとされますし、養生の“しがいがある”時期です。
この回では、春に向かっていく時期の、服装と生活態度について学んでいきたいと思います。意外に見落とされる重要な養生法である「衣替え」について、みなさんと考えて参りたいと思います。(坂部昌明)
また、春は「発陳」の季節とも言われるそうです。発は「ひらく」こと、陳は山などに「木々がならぶ」ことをさします。まさに、草木花が咲き乱れる春のイメージ通りです。この時期は筋骨が豊かになり始めるなどうれしいことがある反面、気が上昇しやすいと言われるそうです。
気が上昇するというのは腹が立った時に「カッとなって頭に血が上る」という表現が想像しやすいと教えてくださいました。つまり、なんとなく自分の調整や統制がとりにくく何とも言えない心身の不調和が出やすいのが春の特徴だと言えるそうです。また、冬の時期に身体を酷使しすぎた方はこの症状が強く出るとも言われているそうで、春に体調が悪いことに対して薬などで対処すると同時に、今までの自分の生活習慣を見直してみるのに最適な季節とも言えるかもしれません。
- 寺子屋あしたデザインとは…??
寺院という非日常の場において、「老い」や「ストレス」といった問題を仏教と医療を通じて考える活動です。
【講師:坂部昌明(さかべ まさあき)】
京都在住。明治鍼灸大学(現、明治国際医療大学鍼灸学部鍼灸学科卒業。京都府立医科大学大学院医学研究科修士課程 修了(医科学修士)。
現在は、森ノ宮医療大学保健医療学部鍼灸学科兼任講師・明治国際医療大学鍼灸学部鍼灸学科非常勤講師・公益財団法人未来工学研究所客員研究員と、多方面でご活躍の先生ですが、お人柄はほんとに柔らかくフランクな先生です。
2018.3/26 更新