シンプルだけど、飽きない。コードに隠された工夫とは?|奥田×及川「時のかけら」を語る②
2019年12月に完成したLIFE SONGSオリジナルソング「時のかけら」企画者と製作者である、奥田章吾さんと及川良生さんの対談企画です。
前回は、「時のかけら」制作までのエピソードをお二人に語っていただきました。第2回となる今回は、楽曲制作でこだわったポイントについてお尋ねしました!
Profile
イ:楽曲の制作、工夫されたことや意識されたことは何かありましたか?
及川:意識したのは、その音楽を聞いて「よくわかんないな」(難しいな)っていうメロディーよりは、単純に聞いていいメロディだなと思ってもらうようにしたことです。それと、昔聞いたことあるような、「なんだか懐かしいメロディだな」っていうのを重視して作らせてもらいましたね。
イ:作曲をされる中で苦労された点はあったのでしょうか?
及川:コードの組み方ですかね。楽曲自体はシンプルに作っているんですけど、どこかで聞いたことがあるようなメロディーをそのまま被せてしまうと単調になってしまうんですね。
大抵のサビのメロディは最初にGというコードから始まるとしたら、その次がB7でEmという流れになることが多いんです。
ですが今回は1回目のサビはそのようにして、2回目はGで、次はF#m7(エフシャープマイナーセブンス)の♭5(フラットファイブ)っていう、同じメロディで進んでるんですけどコードを変えているんですよ。
あえて意表を突くようなコード進行にして飽きさせない工夫をしようと。でもあんまりコードを変えすぎても寄り添えなくなるので、そこはすごく苦労しましたね。
イ:他には苦労したところはありましたか?
及川:苦労というか、今までの作曲ではあまりやってこなかった転調を入れてみました。
奥田:それ僕が注文したんだよね。
及川:そうそう。これは奥田くんが注文してくれたことで、歌うメンバーに女性と男性が居たので、若干キーを高めにして、女性が歌いやすいようにしたかったのです。
AメロとBメロがあって、Bメロを転調してるんですね。あと、2番のサビが終わった後の間奏も若干転調しているんです。全体的には聞き覚えのあるシンプルな曲なんですけど、転調をいかにうまく使うか?コードをいかに回していくか?どうやったらシンプルだけど何度でも聞きたくなるようなメロディにできるか?というところはかなりこだわりましたね。
イ:隠し味といったところでしょうか。
及川:そうですね。m7(♭5)(マイナーセブンスフラットファイブ)は隠し味ですよね。音楽をたくさんやってる人は分かると思うのですが、曲を聞いていると「次はこう来るだろうな」というのがあるんですよね。そんな「流れ」をあえてずらすことによって、「お、こうくるんだ」っていう、ちょっとした驚きを与えることができるんです。こうした「作曲者としての醍醐味」をちょっと意識してコードを書いてみました。
奥田:「時のかけら」は、LIFE SONGS に今まで出てくれたアーティスト達が大人数で歌っている、というのをイメージしていました。なので、メンバーの半分ぐらいは女性で、声の高い人でも歌いやすくしたいと注文したんです。
及川:一人で弾き語りする曲のコードとは全然違うんですよね。そういう意味では新しい試みでした。コードに関しては何回も繰り返し繰り返し、試行錯誤しましたね。
ーーー
聴きやすく、どこか懐かしい。そして聴いていても飽きないメロディーの裏には、及川さんの工夫が隠されていました。また、これまでのLIFE SONGS公演に携わったアーティストの皆さんが歌いやすいように、女性にも男性にも合わせた転調を行っているところに彼の優しさが垣間見えます。
次回は、「時のかけら」の由来や、仏教的な要素についてお尋ねします。そこには、制作者のこだわりと深い想いが詰まっておりました……。(近日公開予定です)
前回は、「時のかけら」制作までのエピソードをお二人に語っていただきました。第2回となる今回は、楽曲制作でこだわったポイントについてお尋ねしました!
Profile
奥田章吾(おくだしょうご 以下:奥田)北海道出身。2019年まで龍谷大学実践真宗学研究科に在籍しながら「LIFE SONGS」の活動を実施。現在は西本願寺の勤式(ごんしき)指導所で、勤式作法を学ぶ。サッカーと音楽が好き。あだ名は「おくちゃん」。
及川良生(おいかわよしき 以下:及川)北海道出身大阪育ち。2016年龍谷大学卒。現在は音楽活動も若干しつつ会社員として日々を送る。奥田とは学部時代(大学時代)に在籍していたアコースティックギターサークルで知り合い、同じ北海道出身ということもあり、良き音楽仲間となる。札幌龍谷高校出身で、恩徳讃も歌える。あだ名は「おいちょ」。
インタビュアー(以下:イ)兵庫県出身。2019年まで龍谷大学実践真宗学研究科に在籍。写真・動画撮影や編集を得意とし、「時のかけら」のCDやオリジナルMVの制作に協力した。楽器を演奏した経験は無い。
イ:楽曲の制作、工夫されたことや意識されたことは何かありましたか?
及川:意識したのは、その音楽を聞いて「よくわかんないな」(難しいな)っていうメロディーよりは、単純に聞いていいメロディだなと思ってもらうようにしたことです。それと、昔聞いたことあるような、「なんだか懐かしいメロディだな」っていうのを重視して作らせてもらいましたね。
イ:作曲をされる中で苦労された点はあったのでしょうか?
及川:コードの組み方ですかね。楽曲自体はシンプルに作っているんですけど、どこかで聞いたことがあるようなメロディーをそのまま被せてしまうと単調になってしまうんですね。
大抵のサビのメロディは最初にGというコードから始まるとしたら、その次がB7でEmという流れになることが多いんです。
ですが今回は1回目のサビはそのようにして、2回目はGで、次はF#m7(エフシャープマイナーセブンス)の♭5(フラットファイブ)っていう、同じメロディで進んでるんですけどコードを変えているんですよ。
あえて意表を突くようなコード進行にして飽きさせない工夫をしようと。でもあんまりコードを変えすぎても寄り添えなくなるので、そこはすごく苦労しましたね。
イ:他には苦労したところはありましたか?
及川:苦労というか、今までの作曲ではあまりやってこなかった転調を入れてみました。
奥田:それ僕が注文したんだよね。
及川:そうそう。これは奥田くんが注文してくれたことで、歌うメンバーに女性と男性が居たので、若干キーを高めにして、女性が歌いやすいようにしたかったのです。
AメロとBメロがあって、Bメロを転調してるんですね。あと、2番のサビが終わった後の間奏も若干転調しているんです。全体的には聞き覚えのあるシンプルな曲なんですけど、転調をいかにうまく使うか?コードをいかに回していくか?どうやったらシンプルだけど何度でも聞きたくなるようなメロディにできるか?というところはかなりこだわりましたね。
イ:隠し味といったところでしょうか。
及川:そうですね。m7(♭5)(マイナーセブンスフラットファイブ)は隠し味ですよね。音楽をたくさんやってる人は分かると思うのですが、曲を聞いていると「次はこう来るだろうな」というのがあるんですよね。そんな「流れ」をあえてずらすことによって、「お、こうくるんだ」っていう、ちょっとした驚きを与えることができるんです。こうした「作曲者としての醍醐味」をちょっと意識してコードを書いてみました。
奥田:「時のかけら」は、LIFE SONGS に今まで出てくれたアーティスト達が大人数で歌っている、というのをイメージしていました。なので、メンバーの半分ぐらいは女性で、声の高い人でも歌いやすくしたいと注文したんです。
及川:一人で弾き語りする曲のコードとは全然違うんですよね。そういう意味では新しい試みでした。コードに関しては何回も繰り返し繰り返し、試行錯誤しましたね。
ーーー
聴きやすく、どこか懐かしい。そして聴いていても飽きないメロディーの裏には、及川さんの工夫が隠されていました。また、これまでのLIFE SONGS公演に携わったアーティストの皆さんが歌いやすいように、女性にも男性にも合わせた転調を行っているところに彼の優しさが垣間見えます。
次回は、「時のかけら」の由来や、仏教的な要素についてお尋ねします。そこには、制作者のこだわりと深い想いが詰まっておりました……。(近日公開予定です)
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他力本願ネット
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「他力本願ネット」は浄土真宗本願寺派(西本願寺)が運営するウェブメティアです。 私たちの生活の悩みや関心と仏教の知恵の接点となり、豊かな生き方のヒントが見つかる場所を目指しています。
掲載日: 2020.02.15
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