大人から子どもまで、み教えを書いて味わう空間|「写経寺子屋」―北海道真宗寺
全国の浄土真宗本願寺派寺院で行われる催しや取り組みをご紹介する「お寺の活動事例集」。今回は、北海道苫小牧市の真宗寺さんで行われている「写経寺子屋」について、その様子を同寺副住職の朝倉恵昌(あさくら・けいしょう)さんに教えていただきました。
どんな催し?
(画像提供:朝倉さん)
――写経寺子屋とはどういう催しでしょうか?
朝倉 恵昌さん(以下:朝倉):写経寺子屋とは、お寺で親子が一緒に写経を行うことができる催しです。2017年頃より始めた活動で、月に1回、日曜日の15時頃より実施しています。
写経のテキストは本願寺出版社から発売されている『書いて味わう正信偈』を使用し、正信偈を書き写していただいています。参加自体は無料ですが、初回のみテキスト費を頂戴しています。
写経が難しい子どもたちもいるので、その際は別途ひらがなの書き取り帳を用意して、その内容を書き写していただいています。
――この催しの特徴はどういったところにありますか?
朝倉:参加される世代が幅広いことが特徴で、上は90歳のおばあちゃんから、下は3歳の子どもさんが同じ空間で黙々と写経をする光景が広がっています。
また、写経を終わったときに、書いた正信偈をお勤めしているほか、内容の解説をさせていただいています。つまり、仏教のみ教えを幅広い世代に伝えることができているんですよね。
さらに、休憩時間にはお茶とお茶菓子の提供をしており、その時間を使って参加者同士での交流を深めていただいています。
――催しを通して、どういった気付きがありましたか?
朝倉:改めて、お寺が持っているポテンシャルに気づかせていただきました。というのは、本堂でやると子どもたちもしゃきっとするんですよね。これは本堂という空間が持つ力ではないでしょうか。また、写経がスマホやゲーム依存から脱却できるきっかけにもなると気づかせていただきました。しゃべらない、ゲームしないという部分を、高く評価していただいています。こんなに真剣に何も喋らない子どもの姿を初めてみた、というお声をいただいたこともありました。
写経は古くから続いてきた行いですが、今の世代の方々にとっては新鮮に映るのかもしれません。今までお寺と接点のない世代が主に来られており、写経が新たなご縁づくりになっていることを実感しています。
――ありがとうございました。
北海道真宗寺について
(画像提供:朝倉さん)
【寺院名】
浄土真宗本願寺派 一乗山 真宗寺
【住所】
〒053-0026
北海道苫小牧市幸町1丁目1-17
【webサイト】
https://shinshu-ji.com/index.html