エンディングアート展10
2015年1月、2日にわたって京都の明覺寺で開催されたエンディングアート展。僧侶が主催したこの企画、様々な分野の20代の若手アーティストが「死」をテーマとした作品を展示し、「死」について様々な角度から考える機会を提供した。さらには、納棺体験ができる棺桶の展示も。お寺を会場としたこのアート展、今回はその中の作品をご紹介させていただきただきます。
タイトル おむかえ
清水正奈美 色鉛筆|455㎜×333㎜
【作者の作品紹介】
来迎図を描くことに決めたのは、死というテーマを聞いてすぐでした。死という自分にとって怖い存在と近しいテーマでありながら、数年前にはじめて来迎図の存在を知った時、私が感じたものは暖かさでした。もしかしたら、これから死を迎える人は、阿弥陀様の暖かい光に包まれているのかもしれない。沢山の仏様が綺麗な音色を奏で、踊り歌いながら迎えに来てくださるその光景は、臨終を迎えた人を迎えにくる場面であるのにも関わらず、暖かく優しいものに見えました。少しだけ、死に対しての答えを見つけられた気がして、この題材を選びました。最愛の人が最期を迎える時は、きっと沢山の仏様が優しく迎えに来てくださいますように、そんな願いも込めて。 【作者の「死」のイメージ、考え方】
死は、昔からずっと怖いものでした。大切な人を、連れて行ってしまうものだから。幸いなことに、生まれてから今まで近い身内の死を一度も見たことのない私には、目を背けてさえいれば、見なくていいものだと思っていました。
大学に進学するとき、進路を仏教学に決め、必然的に死と向き合う機会が増えました。と同時に、大切な先輩や先生との別れを、身近な人との別れをはじめて経験しました。
泣いてばかりでも、きっとそれは本人が望む姿ではないと分かっていながら、死への解決策は見つからないままです。きっと答えなどないのでしょう。それでも、何か自分の中で答えを見つけられたらと思い、今回の企画に参加しました。
2015.7/29更新