老展07
2015年7月、2日間にわたって京都の一念寺を会場に「老」をテーマとした老展が開催されました。普段あまり考えることのない「老」。お寺を会場とした老展、今回はその中の作品をご紹介させていただきたいと思います。
タイトル 伝承
ryuu
竹、生梅、氷砂糖
【作者の作品紹介】
小さい頃よく祖母の膝の上にのって梅酒を漬けるのを手伝ったことを思い出す。梅の見分け方、砂糖や酒の分量、なにも見ずに慣れた手付きで梅酒を仕込む祖母を不思議に眺めていた自分も思い出す。くしゃくしゃで艶やかな祖母の手はわたしにとって何でも知っている魔法の手のような気がした。
梅酒を漬けるこの季節今度はわたしの母が何も見ずに少し不慣れな手つきで梅酒を漬ける。祖母との記憶を辿りながら梅酒を漬ける。
私が不思議に眺めていた祖母の手もきっと誰かとの記憶を辿っていた様な気が今はする。
今の私にとって、老は祖母、母、そしてこの私に受け継がれ続けている気がする。
【作者の「老」のイメージ、考え方】
老といわれてすぐに思い浮かんだイメージは、12年前に往生した祖母の温かな手。
2015.10/16更新
Author
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掲載日: 2015.10.16