寺子屋あしたデザイン「お金をかけない東洋医学講座ー眠りー」No.2
お寺で行われる様々な活動をリポートしていく「テラプラス」。今回は、寺子屋あしたデザイン主催のお寺で学ぶ「お金をかけない東洋医学講座-眠り-」についてレポートさせていただきます。
まずは本講座の講師である坂部昌明先生に、今回の講座のテーマである「眠り」について少しお話をうかがっていきたいと思います。
いつも会場をお貸しくださる一念寺さん。ご住職が笑顔で迎えてくださり、お寺に入るだけでもなん
だか気持ちが和む不思議な空間です。
—よく眠り、よく生きる
今回のお金をかけない東洋医学は、「眠り」をテーマにしました。睡眠は人生の三分の一を占める重要な時間です。また、眠りは“脳の回復”に貢献するといわれます。眠りの質が低いと、心身共に乱れることは、夜更かしをしたことのある方なら、誰しもご理解いただけるのではないでしょうか。眠りの質を高める事は自分らしい生き方をつづけていく上で重要なのです。
眠りについてひも解いていくと、毎日“眠る”からこそ見落としがあることに気づかされます。眠る準備はされていますか?寝姿勢は如何ですか?そんな細かいこと…と思えることほど大切にすることで、心地よく、気持ちよく眠り、カラダを休め、朝に活力をみなぎらせるために必要なのです。
ただ一点、ご注意を。この講座では、形式ばった“眠り方”をしてほしくはありません。あなたらしく、わたしらしく眠るには?という問いかけをしているのです。講座で示すのは、ほんの一例。あなたらしい眠りは、きっとあなた自身が教えてくれます。坂部昌明
毎回の講座では、貝原益軒の『養生訓』を元に作成されたレジュメを配布し、日常の中に取り入れ
やすい東洋医学の知識を学んでいます。
講座の様子。一時間の講座ですがいつもあっという間に時間が過ぎて行きます。
—自分で自分の心地よさを知る
今回の講座では「眠り」の大切さと「いかによく眠れる準備を整えていくか」ということについてお話をいただきました。その中で驚いたことの一つに、よい眠りに季節や太陽等、自然にまつわることが沢山出てきたということでした。例えば、枕の位置を北に向けない方がよいのは、年間を通じて日差しの入りが悪いためで、東の方角に枕をおくことがすすめられている理由は、朝の目覚めには適切な光の感知が必要だからだそうです。考えてみれば、当たり前のことなのかもしれませんが、私たちの日常は自然をはじめ、様々なものとの関わりあいの中で影響され成り立っていることを、改めて気づかせてもらった時間でもありました。
普段なかなか改めて考える機会の少ない「私の日常のこと」を振り返ったり、「日常をよりよくする知識」を学んだり、「何が自分自身にとってよいこと」なのかを丁寧にみていく、そんな時間を今後もご一緒できればと思います。是非次回もお楽しみに。
次回開催は「性」をテーマに11月10日とのこと。気になられる方は、「寺子屋あしたデザイン」で検索を
◆お問い合わせ先
asitadesign@gmail.com(担当:大塚)
主催団体:寺子屋あしたデザインとは…寺院という非日常の場において、「老い」や「ストレス」といった問題を仏教と医療を通じて考える活動です。「お金をかけない東洋医学講座」の他、お寺でヨガやお灸を通じてリラックスした時間を過ごす「お寺でからっぽ体験」も実施している。
御講師:坂部昌明(さかべ まさあき)先生
京都在住。明治鍼灸大学(現、明治国際医療大学)鍼灸学部 鍼灸学科 卒業。京都府立医科大学 大学院 医学研究科 修士課程 修了(医科学修士)。 現在は、森ノ宮医療大学 保健医療学部 鍼灸学科 兼任講師・明治国際医療大学 鍼灸学部 鍼灸学科 非常勤講師・公益財団法人 未来工学研究所 客員研究員と、多方面でご活躍の先生ですが、お人柄はほんとに柔らかくフランクな先生です。
2016.11/4更新