寺×音楽 LIFE SONGS プロジェクト 人生、最後に聴きたい曲 No.10
2回目のLIFE SONGS 「人生、最後に聴きたい曲」が2016年10月12日に京都・龍谷大学 深草キャンパスにおいて開催されました。 LIFE SONGS「人生、最後に聴きたい曲」は若手僧侶やアーティストによってお寺や宗教空間で「生」や「死」を切り口に音楽ライブを行い、出演者や参加者に「生」「死」を考えてもらう時間をつくっています。単に座って学ぶではなく、参加者もお寺などの普段とは違った空間の中で、落ち着いた雰囲気の中でまったりとした時間を過ごせてもらえたらと思っています。普段の音楽ライブとは一味違った空間・時間を提供しています。
4番目に演奏してくれたのは、前回のLIFE SONGSでも出演してくれた若手僧侶の好井さんです。
選ばれた曲はMr.Childrenの「いつでも微笑みを」とMr.Childrenの「くるみ」です。
1曲目の「いつでも微笑みを」という曲は前回も演奏してくれた曲です。今回のステージにはたくさんのキャンドルがともり、電気の照明はほとんどなくキャンドルの光だけでしたが、会の最後の方には美しく灯っていたキャンドルの明かりも徐々に消えていき、だんだんと暗くなっていきました。そこに好井さんが歌を歌い、「沢山あったキャンドルでしたが、まだ火が灯っているのは4本だけです。仏教では諸行無常と言いますけれども、ずっと変わらないものなんてありませんね。そういう人生の中で、どうやって生きていけばいいかと思いますけれども、僕は笑顔が大切だと思います。」と優しい口調で話してくれました。死について語ってくれている好井さんの時間は暗い時間ではなく、何か明るくキャンドルの光のように優しい時間に思えました。
2曲目の「くるみ」では、出会いと別れのことを感じて欲しいと話していました。「龍谷大学は浄土真宗の宗門校です。学生の皆さんは『仏教の思想』という授業を必ず受けなければなりません。しかし、仏教は今や「葬式仏教」と言われ、仏教の教えがあまり伝わっていないように思います。先ほど諸行無常と言いましたが、これから歌う曲は人との出会いや別れを歌った曲です。何か1つでも仏教の教えを受け止めて、生きていくヒントにして頂けると嬉しいです。」大学のキャンパス内で行われたこともあり、学生の参加者も多っかたこの企画には好井さんの言葉に何かを感じた学生さんもいるかもしれません。何気なく受講している講義の中にも大切なことはたくさんありますよね。
主催の奥田さんは好井さんとのトークで「好井さんが歌う「くるみ」が教えてくれたように、出会いの数だけ、別れの数も増えます。私は、今、そういう人生を歩んでいます。その別れが、死別だった時もあるでしょう。しかし、今までの出会いや、別れのすべてが、今の私を形作っています。今の私にとって、何1つ無駄なものはなかったのですね。そう考えると、これからやってくる出会いや、別れにも、何か特別な意味がありそうな気がしました。」そんなことも話してくれました。
あなたにとって、「優しい」時間はありますか?
2016.12/7 更新