子どもとゆたかに生きるヒントを。子育て世代のがん患者コミュニティから生まれた絵本
タイトル:ママのバレッタ
絵と文:たなか さとこ
発行所:生活の医療社株式会社
抗がん剤治療によって、髪の毛がぬけ、かなしい想いをしているママとそれを感じる少女。2人の生活と心の変化がやさしいタッチで描かれており、新たな視点に気がつく、やさしい絵本です。
髪の毛がなくなったママは、色んなウィッグを試し、今までしたことなかったような髪型を楽しみます。
そして、子どもは「髪の毛があるママ」と「髪の毛がないママ」ではなく、「そのままの」ママの存在を大切に思いはじめます。
もし、自分に子どもがいたら、がんになったことをなんて話そうか。
どんなふうに、抗がん剤治療で毛がぬけていくことを伝えるのだろうか。
かなしいと思っていたことも、視点を少し変えていくことで、一瞬一瞬が大切な時間になっていくような気がしました。
普段の生活では、他人の生活をうらやましく思い、比べてしまう中で、本書ではママと少女が2人で、他の人の人生と比較ではなく、「今ここにある」人生を愛おしく思っているように感じました。
がんや病気ということに限らず、子どもと一緒に、豊かな視点を育んでくれる『ママのバレッタ』
ママや少女のような、前向きでユーモア溢れる生活を送りたいものです。
Author
他力本願ネット
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掲載日: 2019.04.26