動物好きになる絵本ー『こぐまくん こぐまくん なにみているの?』

 

題『こぐまくん こぐまくん なにみているの?』
絵:エリック・カール
文:ビル・マーチン
訳:おおつきみずえ
出版社: 偕成社
価格:1050円

 
鮮やかな色彩感覚によって「絵本の魔術師」といわれた、世界的な絵本作家エリック・カールの作品です。
ニスを塗り、薄い紙に指や筆で色をつけた色紙を切り抜いて貼り付けていく、コラージュの手法が数多くの人々を魅了しています。
文章は詩人でもあるビル・マーチンによるもので、繰り返しの言葉のリズムが心地良いです。
 
作中、アカギツネさんやモモンガくんなどの動物達が何かを見ています。
「なに みているの?」と尋ねると、見ている動物の様子を優しく話してくれて、ページをめくるとその動物の様子が両開きのページいっぱいに鮮やかに広がります。
 
登場する動物は、イワヤギやアオサギなどの珍しい動物。聞いたことのない名前の動物が一体どんな姿をしているのか?岩山をカツカツと登っているのか、それともふわーりふわりと飛んでいるのか?ページをめくるたびに動物達が生き生きとした姿を見せてくれ、新鮮な世界が広がります。
 
他にも『パンダくんパンダくん なにみているの?』では絶滅危惧種を、『しろくまくん なにがきこえる?』では聞いたこともない動物達の鳴き声が紹介され、それぞれテーマがあり、どれも動物の温もりを感じさせてくれます。
 

〜保育園5歳児クラス 読み聞かせ結果~

 
5歳児クラスでは遠足で動物園へ行きます。遠足へ向けて歌で『動物園へいこう』や『しまうまグルグル』を歌い期待を膨らませていきます。
 
『こぐまくん こぐまくん なにみているの?』は、5歳児には物足りない内容と長さだろうと思いましたが、読んでみると心地よい繰り返しの言葉に子ども好反応でした。同じように声を合わせてしゃべってみたり、動物の様子を耳で聞いてイメージをふくらませ、「どうして、かつかつかつって鳴るんやろ?」などと興味を持って、色々と質問をしてくれました。聞いたことのない名前の動物の姿を見る前に、言葉から想像することを促すこの絵本は、動物園へ行く前にワクワクする気持ちを高めてくれるのにふさわしい絵本と言えます。作者は何よりこの絵本の持つ素晴らしさを通して動物のことを知ってもらいたかったのでしょう。エリック・カールの作品の動物は生き生きとした跳躍感があり、子どもたちの心をぎゅっと捕える不思議な力があるように思っています。それはきっと、エリック・カール本人の優しさや純真さがあるものだと思います。
 

~絵本『こぐまくんこぐまくんなにみているの?』から繋げた保育~

 
この絵本を読み終えてすぐに、子どもたちに問いかけてみました。
「みんなだったらどんな動物をみるの?」
絵本から感じた温かさが心に残っているうちに、どんな動物をイメージしたのか聞いてみたかったからです。
子どもたちは「くまのお兄ちゃん!」「うさぎのお母さん!」「ライオンのお父さん!」
と身近にいる家族の名前を付け加えた動物の名前を笑顔で答えてくれました。きっと絵本の温もりから家族の温もりを感じた結果なのでしょうね。
 
それから、動物園への遠足をより楽しめるよう、動物クイズをもみんなでつくりました。
「決めた!ラクダのコブは全部で何個ある?にしよう!」
「恐竜の首みたいに長い、鼻がある動物はなんでしょう?…できた!」
これらの問題を紙にまとめて、首から下げられるようリボンをつけて、動物クイズの出来上がりです。
 

 
遠足当日、動物園に着いてから、動物クイズを一人ひとりに渡しました。
 
自分たちで作ったクイズに「はやくカバ見に行きたい!!」などと皆ワクワク!
 
動物の前を通る度に「チンパンジーって誰かクイズ作ってたっけ??」と開いては覗き込んでいた子どもたち。自分が作成した動物の番が来ると、読み上げてクイズを出してもらいます。たとえば、「しまうまは黒が多い?白が多い?」というクイズ。みんな、遠くにいるシマウマを目を凝らして一生懸命どちらが多いのかを考えます。動物クイズのねらいは“よくみる(観察)すること”です。正解することよりも、発見を大切にしたり、話し合ったりして動物の事をよく知ってもらう事が大切なのです。目の前には図鑑ではなく本物の動物がいるのですから。
 

 

~ご家庭で出来ること~

今回、保育園で子どもたち取り組んだ動物クイズはご家庭でも簡単に取り組む事が出来ます。クイズはお子さんの年齢に合ったものを作れば、何度でも動物園をより楽しめる事でしょう。
 
1・2歳児頃 絵を見て同じ動物がいるかどうかのクイズ
 
3歳児頃   数を数えるクイズ
 
4・5歳児頃 模様などの特徴のある物を探すクイズ
 
6歳児以上  親子で図鑑を調べながら難しいクイズを作る
 
 
紙とペンがあればその場で本物の動物を見ながら描けるので、子どもの観察力が身に付くことでしょう。
 
ただし描く際には木陰で、水分を十分に摂り熱中症には気を付けてくださいね。
 

(常照寺隣保館保育園 中尾俊也)

 
 

大阪府箕面市白島2丁目15-12

常照寺隣保館保育園は

「公益社団法人 日本仏教保育協会」

「浄土真宗本願寺派保育連盟」

 

 

 

 

 

   

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掲載日: 2013.06.24