被災地の声「街がのっぺらぼうだ」
(60代男性)
被災直後、街の様子を見ていると、神様に住んではいけない所だと言われているような気がしていたという。
それからしばらくの間、津波で破壊された風景を眺めながらかつての街並みを思い出し、
郷愁にひたることを日課としていたそうだ。
復興がすすみ遺構が解体されて、街を思い出す術がなくなった。
震災直後に見た街の姿よりも、街がのっぺらぼうにされた今の方が余計に悲しいのだという。
あたかも、自分の居場所がなかったことにされているように感じると語っておられた。
思い出せない悲しみとはいかほどのものであろうか。
(金澤豊)
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掲載日: 2013.07.01