被災地の声「物は何もいらないから、人を返して」
(30代女性)
仮設住宅のドアをノックし「調子はいかがですか?」と声をかけた。
「仮設に住んでいて、心身ともに健康な人はいません」と少し強い口調で言葉を返された。
よく伺うと「物は必要ない、亡くなった人を返してほしい」と。
帰ってこないことは、もちろん分かっているけど、言わずにおれないのだという。
一緒に暮らす主人と話しをしていても、なかなか分かりあえることはないそうだ。
特にペットを亡くしたことについては、主人に話してもわかってもらえない。
そう話す彼女の表情から、分りあえないことの切実な苦しさが痛いほど伝わってきた。
(金澤豊)
——————————————–—–—–—–––
詳しい活動を描いた書籍はこちら
——————————————–—–—–—–––
Author
他力本願ネット
人生100年時代の仏教ウェブメディア
「他力本願ネット」は浄土真宗本願寺派(西本願寺)が運営するウェブメティアです。 私たちの生活の悩みや関心と仏教の知恵の接点となり、豊かな生き方のヒントが見つかる場所を目指しています。
掲載日: 2013.10.28