被災地の声「物は何もいらないから、人を返して」

(30代女性) 

仮設住宅のドアをノックし「調子はいかがですか?」と声をかけた。

「仮設に住んでいて、心身ともに健康な人はいません」と少し強い口調で言葉を返された。

よく伺うと「物は必要ない、亡くなった人を返してほしい」と。 

帰ってこないことは、もちろん分かっているけど、言わずにおれないのだという。

一緒に暮らす主人と話しをしていても、なかなか分かりあえることはないそうだ。

特にペットを亡くしたことについては、主人に話してもわかってもらえない。

そう話す彼女の表情から、分りあえないことの切実な苦しさが痛いほど伝わってきた。

(金澤豊)

 

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掲載日: 2013.10.28