伝統芸能同好会〜監修者ご挨拶〜
当コーナーの監修役を勤めます釈徹宗です。よろしくお願いします。
このコーナーは相愛大学伝統芸能同好会・平田かつきさんによる語りで成り立っています。
私はここで公開される情報について、平田さんが勘違いしている部分や誤解を与える可能性のある部分などをチェックします。基本的にはほぼ平田さんの文章そのままです。
実は私、この「伝統芸能同好会」の顧問なのです。
今春、相愛大学の1年生になった平田さんは、入学してすぐに伝統芸能同好会を立ち上げようと活動を始めました。なかなかアクティブな新入生です。平田さんの活動力の源泉は、おいおいこのコーナーで明らかになっていくことでしょう。
彼女から「伝統芸能同好会を立ち上げるので、顧問になってください」と依頼された私は、内心「うう、ホントはもうこれ以上何かを引き受けたりしたくないんだけどなぁ」と思いつつ、「了解」と返答しました。せっかくこんなユニークな提案をしてくれる人が登場したのに、その出足をくじくわけにはいきません。
浄土真宗本願寺派の宗門立校である相愛大学の中で、伝統芸能に関わるサークルが生まれるのはマコトに喜ばしいことです。
なにしろ芸能と宗教とは密接な関係にあるのです。
そもそも古代では宗教者と芸能者との役割がかなり重なっていました。このことは宗教について考察する上でも、また芸能について考察する上でも重要な視点です。
そして、日本の伝統芸能の源流には仏教があります。また日本仏教においては、各宗派の特性から生み出された芸能も少なくありません。
さらに言えば、浄土真宗と芸能との近接性を注目すべきでしょう。たとえば、西本願寺にはおよそ四つの能舞台があります。こんなお寺はめずらしいのです。そこには浄土真宗と芸能とが、互いに影響をおよぼしあってきた経緯の一端を知ることができます。
また浄土真宗は、お説教に心血を注いできた宗派です。そして、お説教と伝統的語り芸能も深い関係にあります。
さて、伝統芸能部は、能楽・文楽・歌舞伎・落語・講談・浪曲など、さまざまな領域に学んでいく予定です。鑑賞だけでなく、実際に演じたり語ったりすることになるかもしれません。
これらの活動を舞台にして、どのような平田かつきワールドが展開されるのか。ぜひ、このコーナーにご注目ください。