第1回「型破り僧侶と教育NPOで考えるイライラしない子育て」No.2

シリーズ”○○と考える子育てがラクになる講座”
第1回「型破り僧侶と教育NPOで考えるイライラしない子育て」No.2

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2017年4月9日(土)に京都市wings京都において、子どもの支援をされているNPO法人D.Live(ドライブ)と僧侶による子育てについての対談イベントが開催されました。
この日は、NPO法人D.Liveの代表と浄土真宗本願寺派の僧侶が「型破り僧侶と教育NPOで考えるイライラしない子育て」をテーマとして、各々の思いや考えを述べ、参加者が、それぞれの子育てのあり方を考えるような時間となりました。
そこには、子育てという視点から、人生を豊かに生きるヒントが散りばめられていました。
その対談の様子を前回より、お伝えしています。
今回は「生き抜くチカラ」子どもに本当に伝えたいことです。

<目次>
① お坊さんと子育てを考える。「自分らしく」とは?
② 「生き抜くチカラ」子どもに本当に伝えたいこと。

③「自身の正体」子どもに本当に伝えたいこと
④ 「教育、共育、響育」子どもと親とのあり方。
⑤「子どもの理由。ガンバるとは。」

今回の会は「曼荼羅トーク」という方法で会を進めて参ります。曼荼羅トークとは、ウェブマガジンgreenz(http://greenz.jp)の元編集長の兼松佳宏さんが、編み出された「沢山の言葉とであいのお土産」があるという魅力的な手法です。、最初に登壇者の方々にキーワードを数個出していただき、参加者の方々に聞きたいキーワードをその中からまず1つ選んでいただきます。また、選んでいただいた参加者の方々には、なぜそのテーマを選ばれたのか少しお話を伺い、それから、登壇者の方々にキーワードを中心にお話を伺っていく。という様な流れで進んで参ります。
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——参加者男性
「生き抜くチカラ」というのが気になりました。
生きづらいと言われる社会。子どもには死ぬしかないとは思って欲しくない。せめて、生き抜くチカラを持ってほしいと思うんです。
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——高橋さん
今後も日本の経済は伸び悩みが続くと言われています。そして日本の特徴とも言える終身雇用が一段と難しくなり、社会保障制度、年金の問題など将来の不安が増していきます。加えて、AI(人工知能)に代表されるように、技術革新が凄まじい勢いで進むに伴って、これまで人間にしかできないと思われていた仕事がロボットなど機械にとって代わられるようになってきます。現在、人間が行っている仕事の約半分が機械に奪われる、そんな衝撃的な予測をしておられる研究者もいます。
私たちは子どもと共に、こういった時代を生きていくことになります。
こういう時代に私たちが子どもに願うことは何なのか?それを僕なりに考えた時に、とにかく「生き抜くチカラ」を身につけて欲しいと思いました。
色々と贅沢な願いはあるけれど、それよりもこの変化が激しく複雑な社会をとにかく生き抜いてほしいですね。

一般的に「生き抜くチカラ」と聞くと、コミュニケーション能力とか、プレゼンテーション能力だとか様々に言われるけど、僕が一番大切だと思うのは、人生に対する希望を持つということだと思います。たとえどんなことがあっても、希望を捨てない、人生は豊かで良いものだと思える力というか……。
問題はそれをどうやって身につけてもらうか。それは日々の私たちの生きる姿から学んでもらうしかないと思います。

私たち親が、様々なことが毎日あるけれど、人生に希望を持って、笑顔を忘れずに生きていっている。親という身近な存在が、苦しい人生の中にも楽しそうに生きていっている姿をしっかりとみせる。それしかないんじゃないでしょうか。
私たち親はどうしても先回りして、世の中を上手くわたるためのスキルを教えたくなるけれど、スキルは後からついてくる。それよりも、人間の根底に流れる「生きるという力」そのものに触れて欲しい。
br/>それに、おそらく、親として教えられるものは、無意識に教えてるんじゃないかな、と思います。あえて教えようとしなくても。というか、逆に教えたる!と意気込むと、ろくなことがない。自分の数少ない子育て経験を通してもそう思います。それに前職でコンサルタントをしていた時、クライアントの社長が若手にいろいろと教えていたけど、自分の思い通りにしたいという気持ちと、過去の栄光や成功体験を押し付けているだけじゃないかって思ったことが多々ありました。

——田中さん
うちの両親が変わり者なんですよ。おかしい(笑)
自分が受験の時に、母親が看護師を目指し始めて、自分よりも勉強していた。その姿を見ていたら、自分も勉強をしないといけないって思った。
親父の目が見えなくなって、障がい者手帳を持つようになりました。ただその時に親父は悲観したのではなく、これで美術館半額や!と笑っていました。そんな、顔が印象的でしたね。
そんな親だから、僕たち兄弟は、自由に生きていて、上の妹は、パナマ。下の妹はカナダにいます。
親は、「こうしろ」とかほとんど言ってこなかった。自由にさせてもらっていたなぁと思っています。

 

 

次回は、「自身の正体」子どもに本当に伝えたいことをお伝えします。

2017.6/21 更新

   

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掲載日: 2017.06.21

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