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被災地の声「やさしくねぐっていい、生きてて欲しかった」
(60代女性)
当たり前のことかもしれないが、2年半以上たった今でも、
震災当日の記憶は被災した方々の心に生々しく刻まれている。
津波の警報が鳴り、最初は避難所に息子と一緒に逃げた。
「かーちゃん、いるもんあっぺか?」と聞かれ、「んだば、電灯さとっけらい」とお願いした。
そのまま、息子は帰ってこなかった。
津波が引いて、すぐに探しに行くと、屋根の上で亡くなっていた。
心臓を鷲掴みにされた。
「やさしい息子さんですね」と伝えると、
「やさしくねぐっていい。生きてて欲しかった」とおっしゃった。
そりゃそうだよな、と思わず自分の価値観を押し付けた自分が情けなくなった。
(安部智海)
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掲載日: 2013.12.24