被災地の声「人の世話になって暮らすというのは、辛いことでした」
(60代、女性)
訪問し、ご挨拶をすると女性が「入りなさい」と手招いてくださるので居室にお邪魔した。
お嫁さんとお姑さんが在宅中で、様々な苦労話をお話しくださった。
2年半、地元を離れて生活していたこと。
他人のお宅でお世話になっていたこと。
特に印象的だったのは、
「人の世話になって暮らすことは、本当に辛かったんです」
「申し訳なくて、申し訳なくて…」と涙ぐまれたことだった。
人のお世話になったことに感謝される人はいても、「辛かった」という告白に、声を失ってしまった。
2年半という時間は、その方にとってとても永い時間で、その間、申し訳なさを抱えて過ごされていたのだ。
現在の生活状況よりも、これまでの生活のご苦労を語るお姿に、普通の生活とは一体何なのかを考えさせられた。
(金澤豊)
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掲載日: 2015.02.26