子育て×仏教「マイナスの経験の中で思うこと」

本企画では、子育てという切り口から、対話が進み、ところどころに人生を豊かに生きるヒントが散りばめられていました。
「子育てってしんどい。でも、それだけじゃない」

「勉強ができれば幸せになれるの?」

「東大に入ったら、大きな会社に就職できれば、将来は安泰?」

「とにかく、勉強だけをさせておいたら大丈夫?」

先行きが見えない不安な時代。
AIによって、これからたくさんの仕事がなくなっていきます。

ほとんどの子は、今はまだない職業につくと言われています。そんな時代に生きる子どもたちにとって、本当に必要なチカラとはなんでしょうか?

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2017年6月3日(土)に京都市しんらん交流館において、子どもの支援をされているNPO法人D.Live(ドライブ)と僧侶が協力し、「シリーズ“○○と考える子育てがラクになる講座」子育てについての対談イベントが開催されました。第1回の様子はこちら。

第2回は「元東大教授と考える“本当に賢い子どもの”育てかた〜偏差値じゃない生きる知恵〜」をテーマとし、前半は浄土真宗本願寺派僧侶であり、東京大学でかつて教鞭を取られていた丘山願海先生をお招きし、話題提供をしていただき、後半では子育てで大切にしたいことのリストを作成すると言うワークを通じて、参加者それぞれが子育てのあり方を考える時間となりました。今回はその様子を全4回に渡ってお届けいたします。
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No.3 「マイナスの経験の中で思うこと」

—司会
他に何かお聞きしたいことありますか?今質問してくださった方以外にも、さらに深く聞きたいよって方いたら遠慮なく、ご質問ください。
先生、ちなみに息子さんはおいくつですか?


—丘山先生
30歳くらいかな…?そこらあたり。
なんかさっきから僕が、結論を言っている気がして、嫌ですね。そういうのはね……みなさんの、意見を聞きたいというか。僕の意見がたった一つの正解だ!とも思えないですし。

それから、僕はトークテーマの一つに「失恋」とかを入れたかったんだけど、子育てと失恋はね〜ちょっと、入れられなかったなぁ。
なんで「失恋」を入れたかったのかというと、恋愛って基本的にハッピーでしょ。お互いがお互いを好きになって楽しい時間を過ごす。けど、それは何も物事を考えるきっかけになんない。
失恋したら、辛くなって、人生ってなんだろう?って考えざるを得ない。

2017-06-03 14.09.17


マイナス経験って好きで、「絶対にプラスにする」って僕はいつも思っているんです。具体的に何か対策を考えるわけではないんですが、マイナスの経験をいかにプラスにするかってね。 
結果的にプラスになったら、ではなくて、マイナスの真っ最中にこの経験をいかにプラスにするか。


不登校とか、一見、世間の常識ではマイナス経験でしょ。その経験を絶対にプラスにするぞ。
白状しますけど、僕にもそういう大学不登校、教えられなくて不登校の時期が昔あった。3ヶ月くらい起き上がれない時がね。ずっと寝てましたね。鬱病って起き上がれないんですよね。
昔、大学の学生さんが鬱の子だって聞いて、朝7時に起きることだけ、それだけは約束してって。
でも、それさえ守れないんですよね。自分がなってみるとよくわかるんです。

ただ、その時、浄土真宗の世界にきていたわけではなく、特定の宗教にも関係ないんですけど、その真っ最中に自分を超える何かがはたらいてくれている、という感覚があったりしました。
周りの人がみんな見放しても、見放されない!これだけは!誰も見ててくれなくても、何かだけは見ていてくれている。なんとなく漠然と感じていた。愛とか、エネルギーを注いでくれてるように思っていた。
誰も信じてくれなくても、ちゃんと見ててくれてる気がする。

鬱で寝ている時も、絶対にプラスの経験にするぞ!ずっと、思いつづけていたんです。

ついでに、言いますと「私はダメなんだ」「僕にやれることはないんだ」と思うとやる気がなくなってしまいますね。言葉の力は強いから。
自分の思い込みは怖い。どうせ、思い込むならいい方向に思い込んで欲しいです。

このマイナス経験を絶対、プラスにする。それは結果的にわかりませんよ。だいたい僕は人生失敗だらけだ、と思ってるんで。

ただ、僕の願いは死ぬときに悲しみも、つらかったことも何もかもひっくるめていろんな経験を踏まえて、全肯定したい。生きててよかったなぁって思いたい。
それは、子どもに対してもパートナーに対しても全部そう。
幸せは嬉しいことだけじゃない。悲しいことや苦しいこともひっくるめて
生きてるっていいなぁ、と思えるような人生。さっき言った、生きる時の根っこの心構え。どうなってもいいから、でも生きてるっていいなぁ。
学校行きたくなきゃ、空見てて綺麗だぁと思う。その方がよっぽど、人生、豊かじゃない。
根っこの構え方というところ。
ちなみに、浄土真宗では、阿弥陀様が摂取不捨してくれている。すくい取って絶対に離さない。
そういう力と言われていますね。


No.4「自己の肯定とは何か」へ続きます


No.1の記事はこちら「ジグザクな人生の歩み。学び続ける生き方」
No.2の記事はこちら「信じているは親の身勝手?」


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2017.12/18 更新