『えんとつ町のプペル』〈前編〉「新たな絵本との出会い方」

えんとつ町のプペル

題:『えんとつ町のプペル』

作:西野亮廣

出版社:幻冬舎 

 

お笑い芸人西野亮廣(にしのあきひろ)氏による絵本、『えんとつ町のプペル』。

スタッフを募集して分業制作、全ページをネットで無料公開するなど、斬新な手法が話題となっている。

http://spotlight-media.jp/article/370505056378315909

 

西野氏には信念があった。「この絵本を最後まで無料で公開したのは、とても勇気がいることでした。僕だけでなく、この作品に携わっているスタッフは、この絵本の売り上げで生活をしているからです。ただ一方で、「2000円の絵本は、子供が、子供の意思で手を出すことができない」という声も耳にしました。〈中略〉人間が幸せになる為に作り出した『お金』で、人間に格差ができるのなんて、やっぱり全然面白くない。お小遣いなんて貰えない幼稚園児や小学生が、出費が重なって金欠になった学生や主婦が、何かの事情で本屋さんまで足を運ぶことができなくなってしまった人達が、それでも手に入れられるモノにしたい(上記ウェブサイトより抜粋)。」

 

成功する保証の無いチャレンジ。しかし、ふたを開けてみれば、『えんとつ町のプペル』は現在、30万部に迫るベストセラーとなっている。他の書籍とは違い、絵本は親が子に何度でも読み聞かせる性質のものである。ネットで立ち読みをして内容が気に入れば、最終的に売り物の絵本を購入してもらえるのだ。

 

絵本業界では40~50年前の作品が売れ続け、新陳代謝が起こりにくいとされる。世間のお母さんは自由に使えるお金や時間が限られている。本屋さんで気に入った本が見つけるのは大変なので、結局はお母さんが子どものときに読んだ絵本を子どもにまた買ってあげる。そうした繰り返しもひとつのあり方かもしれないが、新たな絵本との出会い方を創造したという点で、『えんとつ町のプペル』の功績は大きいだろう。

 

〈後編へ続く〉

※次回は絵本の物語についてご紹介します。

 

2018.2/16 更新