大人もハッとする仏教ヒーロー絵本


ウルトラマン、戦隊ヒーロー、仮面ライダー……ヒーロー番組に息子が夢中だ。そのわかりやすい強さや正義に子供が憧れるのも当然だろう。

 

最近では大人の視聴者も増えているという。

いまや若手俳優の登竜門と言われるほど出演者は美男美女揃いで、

ヒーローの心の葛藤が描かれるなど、内容的にも大人の鑑賞にも堪えるものになりつつある。

 

そのような流れの中で、仏教をモチーフとしたヒーロー絵本「とびだせ ビャクドー!ジッセンジャー」が登場した。

「正義とは何か?」「悪とは何か?」「本当の強さとは?」……ヒーローのあり方そのものを問う話題作である。

 

週刊少年ジャンプの黄金期を支えた漫画家、森田まさのり氏の圧倒的な画力もさることながら、これまでのヒーローもののお約束とは異なるキャラ設定とストーリー展開が新鮮だ。

 

独りよがりな正義を押し付けてしまう半人前のヒーロー「ビャクドー」

人間の悪い心から生じた悪役「ジャカツ」

自分の弱さと戦い、他人への思いやりに目覚める主人公「ゆうちくん」

 

彼らの葛藤から、自分を省みて他者との共生をはかっていく、いまの社会に必要な姿勢を学ぶことができる。

 

音楽プロデューサーのつんく♂さんがこの絵本を「大人の方が心に響くのかもしれない。」と評したように、子供だけでなく読み聞かせる大人自身も一緒に考え共に成長できる、希有な一冊である。

 

今夜も我が家で「ジッセンジャー」を読み聞かせるつもりだ。

これから息子の憧れのヒーロー像がどう変わっていくのか、楽しみにしながら。

 

2017.5/15 更新