「免許を返納して自由がなくなった」【僧侶の部屋】

「僧侶の部屋」では、様々な経歴を持つ僧侶たちが、世の中によくある悩みを勝手にテーマにして座談会形式で自由に話し合います。
 
自動車は便利なものです。私たちの代わりに重い荷物を運び、様々なところへと連れて行ってくれます。ですがそのためにはきちんと運転するための免許が必要不可欠。今回は「自動車免許の返納」に関する問題です。
 

今日のテーマ: 免許を返納して自由がなくなった
高齢になり免許を自主返納した。子どもに車を出してもらえばいいだけではあるけれど、いちいち頼むのも気が引ける。昔のように、自分で好きなところへ行けなくなり、自由がなくなってしまった気がする。

 

 

《本日の僧侶プロフィール》

 
・田舎好き僧侶
大自然とスローライフをこよなく愛する僧侶。将来は畑をいじって暮らしたいと夢見る。
 
・絵描き僧侶
小中高と美術部で過ごしてきたイラスト大好き僧侶。最近の推しは駆け出し舞台俳優。
 
・サイバー僧侶
お寺生まれIT育ち。趣味が高じてIT業界に進むも、自らの使命に気づき僧侶の道に。最新機器への物欲が目下の悩み。
 
サ:今回のテーマはご高齢の門徒さんからもよく聞く悩みですね
 
田:まず、免許を自主的に返納されたというのは…
 
絵:引き伸ばさず、ご自分から返納されるのはすごいことだと思います。
 
サ:これをご自身で決断するのは難しいことだと思います。自分で自分を制限することですので。
 
田:でも、それによって自由をなくされたように感じていらっしゃる、と。この場合の自由ってなんでしょう。
 
サ:自分の思うままに好きなところへ行ける、ということがこの場合の「自由」でしょう。でも、これを機に新しい「自由」を見つけてくださったらうれしいですね。確かに置かれている状況は以前より不自由になられたのかもしれませんが、その状況の中に別の喜びを見つける機会かもしれません。
 
絵:歩かなきゃいけなくなったのなら、歩くことによっていつも通り過ぎていた景色に出会うことができるとか、昔は知っていた景色を思い出すとか。その方の今なりの幸せと自由を見つけられると良いですね。
 
サ:うーん。そう考えるとこの方は今、新しい自由を見つける入口に立っているのかもしれませんね。
 
田:そうですね。あるいは、今「新たな自分なりの自由」を探さざるを得ない状況に追い込まれて困惑している、とも言えるのかもしれません。
 
絵:新しい自分になるっていくつになっても大変ですもんね。
 
サ:それからこの場合、気が引けるというのはご家族とは壁というか、遠慮し合っているところがあるのかもしれないから、よく話し合うことが必要ではないかと思います。
 
田:今は新しい自分への移行期間にあるから、それをスムーズにするために、よく話し合われたほうがいいでしょう。ご家族の都合もあるだろうけど、まだご自身の譲れないところもあるでしょうし…
 
サ:諸行無常というか、あらゆるものは変化し続け、常なるものはありませんから、今までのこだわりから離れて、新しい幸せを見つけるための柔軟さを大切になさっていただければと思います。
 
僧侶たちの議論はまだまだ続きますが、ひとまずここまで。
以上、僧侶の部屋での座談会でした。何かのヒントになれば幸いです。
掲載日: 2020.06.03