「夫がどこまでもついてくる」【みんなの人生僧談】

今回のテーマは「夫婦の距離」。夫婦の距離感、というのは難しい問題です。特に環境が大きく変わられたときは、お互いに戸惑われる事も多いでしょう。定年退職された旦那様が思ったよりべったりしてきて困る、と言うのもありがちな話なのかもしれません。僧侶だったらこんな問題をどう考えるのでしょうか?
 

 

今日のテーマ:夫がどこまでもついてくる
子どもが自立して、ようやく自由になったのに、今度は定年退職した夫がどこに行くにもついてくる。どうにかしてほしい。
 
サイバー僧侶(以下:サ):これ、難しい問題だね。
 
絵描き僧侶(以下:絵):仏教は男女の問題苦手ですよね。浄土真宗は最初から妻帯することが許された宗派だから、ちょっと違うのかもしれませんけど。
 
サ:まず、ようやく自由になれると思ったところで、今度は旦那さんがついてきて、自由を奪っていく、というのはショックだと思う。
 
絵:特に女性は専業主婦になると家庭に捧げる時間が多いですから、ようやく解放されると思った矢先にこれはつらいですよね。
 
サ:でも、よく考えると、この苦しみを生み出しているのはどこにでもついてくる旦那さんと言うより、むしろこの方自身の期待なんだよね。「自由になれたはず」という思い込みが、この方自身を苦しめている状況にある。
 
絵:わかりますけど、ちょっと冷たくないですか?
 
サ:もちろん、一方的にこの方が悪いとは思わないよ。でもそういう側面もあるのは覚えておいて欲しい。
 
絵:私は、旦那さんに何かやることがあればいいんだろうな、とは思います。この方のそばだと、安心するんでしょうね。何もやることがなくて、時間だけある新生活の中で、旦那さんも不安なんですよ。お互いに話し合って、旦那さんの「次のやること」を見つけられれば、問題解決かな、と。
 
サ:まあ、いつまでもついてこられてイライラするよりは、二人で話し合って、旦那さんの時間の使い道を見つけた方が、最終的に自由になるのは早いかもしれない。
 
絵:今は新しい生活の中で、旦那さんも奥さんもバランスを崩されている状態なんだと思いますよ。面倒かもしれませんが、お互いに話し合って、いいバランスを見つけていくしかないんじゃないでしょうか。
 
サ:旦那さんはこれまで家庭のために働けば良かったんだけど、今は何をしたら良いのかわからないから、それを見つけるためにもついて回るしかない状態なのかな。
 
絵:そういうところもうまく是正できるようになればいいんですけど。
 
サ:お経に「独生独死独去独来」ととかれているように、慌てなくてもいずれは別れる時はやってきてしまう。今は貴重な「一緒にいられる時間」と思うことも大事なことじゃないかな。
 
 
僧侶たちの議論はまだまだ続きますが、ひとまずここまで。
以上、僧侶の部屋での座談会でした。何かのヒントになれば幸いです。
 
《本日の僧侶プロフィール》

・サイバー僧侶
お寺生まれIT育ち。趣味が高じてIT業界に進むも、自らの使命に気づき僧侶の道に。最新機器への物欲が目下の悩み。
 
・絵描き僧侶
小中高と美術部で過ごしてきたイラスト大好き僧侶。最近の推しは駆け出し舞台俳優。
 
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「僧侶の部屋」では、様々な経歴を持つ僧侶たちが、世の中のよくある悩みを勝手にテーマにして座談会形式で自由に話し合います。
掲載日: 2020.09.14