地域やお寺から発信!みんなで取り組む「互助」
社団法人セーフティネットリンゲージ「みまもりあいプロジェクト」代表 高原達也さんの取り組みについてお話を伺っています。
日本人に根付く助け合い、互助の精神を根幹として地域の見守りあいを促進する、これまでにない形のアプリを開発された高原さん。
第2回は寺院とこれからの地域の互助の在り方について、そのお考えを伺いました。(インタビュー第1回はこちらをご覧ください。)
寺院とみまもりあいは相性がいい
――インタビュー第1回では、みまもりあいプロジェクトの基盤のお話を聞かせていただきました。そのなかで、このみまもりあいプロジェクトとお寺は似ている部分があると感じたのですが、今後地域のためにお寺、あるいは僧侶にできそうなことはあるでしょうか?
高原達也さん(以下、高原):互助を「育む」ツールでもあるのが、みまもりあいプロジェクトです。お寺も互助で成り立っていると思うのですが、その共通点を考えると、このツールはお寺と相性がいいと思っています。
これから先、人々はみんなスマホを持ち、アプリを使うようになるでしょう。一方で、お寺には、門徒さんの減少といった新しい課題が出てくるようになるかもしれません。
そうなった場合、地域の互助精神を育むという意味でお寺とコンセプトが似ているこのアプリを使って、地域の子どもたちや家族を巻き込んで「かくれんぼ」をしたり、実際に認知症の高齢者がいなくなってしまったときに備え、お寺を中心にした協力体制をつくるなどして、地域の方との関係づくりができるといいのではないかと思います。
――前回のお話にも出てきた「かくれんぼ」はお寺の子ども会でもできそうですし、普段からお寺を中心にそういった訓練を行うことで、非常時の連携も取りやすくなりそうですね。
高原:普段からお寺が協力体制の中心にあると、こういうときどうしたらいい?みたいな相談もしやすくなるんじゃないかと思います。
これからの地域互助
高原:これからの日本は、地域共生社会実現を見据えた多世代型の運用……つまり、少子高齢化する社会のなかで、一部の人が高齢者を見守るのではなく、その地域に住んでいる全世代が一丸となって見守る体制づくりが大切になってきます。
10年20年経って、日本の高齢化の状況が今よりも深刻になり、万が一介護保険等のサービスが行き届かなくなってしまったとき、その問題を地域互助が担うことができればいいなと思っているんです。
――なるほど。そういったサービスを受けられない高齢者がいても、地域に互助意識が根差していればカバーできるということですね。
……正直なところ難しそうだと思ったのですが、「住民が高齢者や困っている人のお手伝いをすること」はとても自然な地域の在り方なのかもしれません。
高原:「見守る」って簡単にできるんですよ。気持ちがあれば誰でもできる。
無料のアプリをダウンロードして、きょろきょろ辺りを見渡すだけです。
しかもそれらしき人を見つけたらアプリに記載されているご家族側に電話(IDとフリーダイヤルで個人情報を保護)をして、間違っていないか確認ができます。シャイな若者も探されているご家族から感謝をもらえたら勇気も出ると思います。
現在アプリは60万ダウンロードにまで達していて、さらにこの国には「困っている人がいれば助ける」基盤が存在することも証明されています。
このツールを自治体が導入することで、今あるSOSネットワークの課題をクリアできるんです。
その課題とは、例えば業務時間外の対応の問題や、他の自治体をまたぐ越境問題ですね。そこに「みまもりあいプロジェクト」を活用することで、発見者とご家族が直接連絡を取り合うことができるので、早期対応が可能になります。
また、隣り合う自治体同士が「多世代型見守り協定」を結び、捜索を支援するこのみまもりあいアプリを導入すればコストがかからないので、自治体が独自に取り組まれていることは継続したまま広範囲の見守りが可能です。
――SOSネットワークの課題をクリアするツールにもなるんですね。今まで個人情報保護のために第三者を介すことで対応が遅れていた部分も、直接連絡することで短縮できそうです。
みまもりあいアプリは、互助という信頼によって成り立っていると思います。この信頼があることは決して当たり前のことでなく、とても幸せなことでしょう。このような関係性は、住民、もちろん高齢者やそのご家族の安心にもつながりますよね。
この幸せの種は、人それぞれが既に持っているものであり、花咲かせるきっかけを「みまもりあいプロジェクト」は持っていると感じました。これからさらに進化していく「みまもりあいプロジェクト」に期待が高まります!
日本人に根付く助け合い、互助の精神を根幹として地域の見守りあいを促進する、これまでにない形のアプリを開発された高原さん。
第2回は寺院とこれからの地域の互助の在り方について、そのお考えを伺いました。(インタビュー第1回はこちらをご覧ください。)
寺院とみまもりあいは相性がいい
――インタビュー第1回では、みまもりあいプロジェクトの基盤のお話を聞かせていただきました。そのなかで、このみまもりあいプロジェクトとお寺は似ている部分があると感じたのですが、今後地域のためにお寺、あるいは僧侶にできそうなことはあるでしょうか?
高原達也さん(以下、高原):互助を「育む」ツールでもあるのが、みまもりあいプロジェクトです。お寺も互助で成り立っていると思うのですが、その共通点を考えると、このツールはお寺と相性がいいと思っています。
これから先、人々はみんなスマホを持ち、アプリを使うようになるでしょう。一方で、お寺には、門徒さんの減少といった新しい課題が出てくるようになるかもしれません。
そうなった場合、地域の互助精神を育むという意味でお寺とコンセプトが似ているこのアプリを使って、地域の子どもたちや家族を巻き込んで「かくれんぼ」をしたり、実際に認知症の高齢者がいなくなってしまったときに備え、お寺を中心にした協力体制をつくるなどして、地域の方との関係づくりができるといいのではないかと思います。
――前回のお話にも出てきた「かくれんぼ」はお寺の子ども会でもできそうですし、普段からお寺を中心にそういった訓練を行うことで、非常時の連携も取りやすくなりそうですね。
高原:普段からお寺が協力体制の中心にあると、こういうときどうしたらいい?みたいな相談もしやすくなるんじゃないかと思います。
これからの地域互助
高原:これからの日本は、地域共生社会実現を見据えた多世代型の運用……つまり、少子高齢化する社会のなかで、一部の人が高齢者を見守るのではなく、その地域に住んでいる全世代が一丸となって見守る体制づくりが大切になってきます。
10年20年経って、日本の高齢化の状況が今よりも深刻になり、万が一介護保険等のサービスが行き届かなくなってしまったとき、その問題を地域互助が担うことができればいいなと思っているんです。
――なるほど。そういったサービスを受けられない高齢者がいても、地域に互助意識が根差していればカバーできるということですね。
……正直なところ難しそうだと思ったのですが、「住民が高齢者や困っている人のお手伝いをすること」はとても自然な地域の在り方なのかもしれません。
高原:「見守る」って簡単にできるんですよ。気持ちがあれば誰でもできる。
無料のアプリをダウンロードして、きょろきょろ辺りを見渡すだけです。
しかもそれらしき人を見つけたらアプリに記載されているご家族側に電話(IDとフリーダイヤルで個人情報を保護)をして、間違っていないか確認ができます。シャイな若者も探されているご家族から感謝をもらえたら勇気も出ると思います。
現在アプリは60万ダウンロードにまで達していて、さらにこの国には「困っている人がいれば助ける」基盤が存在することも証明されています。
このツールを自治体が導入することで、今あるSOSネットワークの課題をクリアできるんです。
その課題とは、例えば業務時間外の対応の問題や、他の自治体をまたぐ越境問題ですね。そこに「みまもりあいプロジェクト」を活用することで、発見者とご家族が直接連絡を取り合うことができるので、早期対応が可能になります。
また、隣り合う自治体同士が「多世代型見守り協定」を結び、捜索を支援するこのみまもりあいアプリを導入すればコストがかからないので、自治体が独自に取り組まれていることは継続したまま広範囲の見守りが可能です。
――SOSネットワークの課題をクリアするツールにもなるんですね。今まで個人情報保護のために第三者を介すことで対応が遅れていた部分も、直接連絡することで短縮できそうです。
みまもりあいアプリは、互助という信頼によって成り立っていると思います。この信頼があることは決して当たり前のことでなく、とても幸せなことでしょう。このような関係性は、住民、もちろん高齢者やそのご家族の安心にもつながりますよね。
この幸せの種は、人それぞれが既に持っているものであり、花咲かせるきっかけを「みまもりあいプロジェクト」は持っていると感じました。これからさらに進化していく「みまもりあいプロジェクト」に期待が高まります!
Author
他力本願ネット
人生100年時代の仏教ウェブメディア
「他力本願ネット」は浄土真宗本願寺派(西本願寺)が運営するウェブメティアです。 私たちの生活の悩みや関心と仏教の知恵の接点となり、豊かな生き方のヒントが見つかる場所を目指しています。
掲載日: 2020.07.24