デスカフェの書籍が発売!『デスカフェ・ガイド~「場」と「人」と「可能性」~』
「死」についてお茶を飲みながら、時にカジュアルに、時に重く受け止めながら語る「デスカフェ」は、他力本願.netでも度々紹介してきました。
そんなデスカフェの本が、この度出版されます。タイトルは『デスカフェ・ガイド~「場」と「人」と「可能性」~』。
出版するにあたって、執筆代表の吉川直人(よしかわ・なおと)さんにこの本をご紹介いただきました。
発行・クオリティケア (定価2,420円税込)
本書は、世界的に広がりを見せ、国内で独自の発展を遂げている「デスカフェ」の初のガイドブックである。「死」をタブー視せずに、受け入れ、語り合う場であるデスカフェを、どこで、どんな人々が集まって、どんなことが行なわれているのかを解説し、デスカフェの多様性とこれからの発展可能性を提示している。
第1章は、デスカフェ発祥の経緯と世界的なムーブメントになった背景、国内の発展過程について、コロナ禍での変化も含めて取り上げている。主に3つに分かれる国内デスカフェのタイプ分けのほか、オンライン形式のデスカフェの魅力に言及。
第2章は、デスカフェ開催にあたり、必要な事、物、人等を整理。不可欠なのは、コーディネート、会場と飲食の用意、広報とカフェの安全な運営である。
第3章は、デスカフェでどんな内容が展開されているのか、その多様な形式について、さまざまな具体例で紹介している。
第4章は、さまざまな職種や立場のデスカフェ開催者たちが、開催エピソードなどを交えながら、それぞれの思いを込めて自分たちのデスカフェを事例紹介。「老いと死の理解を深め、これからの生を捉え直す」「多様な考えに触れ、寛容性の高い社会作りに役立てる」「グリーフケアを通じ、一人で抱えない大切さを伝える」「お寺を活用し、死の話題を通じて人がつながる」「看取り介護の底上げをし、地域貢献につなげる」など、目指す方向も異なり、デスカフェの奥行きの深さと幅の広さを感じる章である。
第5章は、本邦初、おそらく世界初のデスカフェ見本市として開催されたデスカフェオンラインサミットの報告で、デスカフェの草の根パワーが直に伝わるはずである。
第6章は、わたしたちが生きる今の時代において、デスカフェが必要な理由を、各種データから掘り下げている。
本書は、「デスカフェって何?」という疑問に答える本として、また、なぜ今、死を語るデスカフェに着々と人が集まるのか、という問いに答える本として、類のない希少な一冊である。
執筆代表は、社会福祉学・介護福祉学の助教で、デスカフェ研究に力を注ぐ吉川直人。2018年に青森で初となるデスカフェの立ち上げに関わり、2019年より全国デスカフェのフィールドワークを開始してその多様性に着目、更なる発展とネットワークの構築のため、2020年9月にデスカフェサミットを企画開催した。執筆・編集は、編集者で日本医療ジャーナリスト協会会員でもある萩原真由美。ジャーナリストとして多死社会の「生と死」の側面を見つめながら、死生学と老年学を取り入れて、デスカフェの啓蒙普及に努めている。
吉川さんには以前にもインタビューをさせていただいております。
DeathCafeWeek 死について語るデスカフェの見本市<前編>
ウィズコロナ時代。死についてオンラインで話しませんか?<後編>
さらに、本の中で紹介されているデスカフェ主催者の方々にもお話を伺っております。
あえて他人と「死」について語り合うワケ│「デスカフェ~死をめぐる対話~」インタビュー
準備のために死を語る│マザーリーフ 終活コミュニティ<前編>
最期まで生ききるために死を語る│マザーリーフ デスカフェ<後編>
死の話はタブー?家族には決して言えないこと|デスカフェ「Café Mortel」インタビュー<前編>
傷つけないデスカフェのつくりかた│「Café Mortel」インタビュー<後編>
こちらも併せてご覧ください。
「死について語るハードルを下げ、対話、癒し、学び、教育、コミュニティ等、様々な機能を内包しているデスカフェは、今後ますます必要性を増して広まっていくことでしょう。」と吉川さん。
死について語るということは、まだ抵抗がある、あるいは気軽に語ってはいけないんじゃないかと思っている方もいるかもしれません。
それでもいつか死を語ってみたいと思ったとき、ふとデスカフェという場所のことを思い出したとき、このガイドブックがきっと役に立つはずです。
ぜひ一度お手に取ってみてください。
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