「謝り方を教えてほしいのですが」
≪本日の僧侶プロフィール≫
・公務員僧侶
公のために生きることを自分の生きる道と定めて公務員になるが、公を大切にすればする程、家族をほったらかしにせざるを得ない現実にぶつかり、納得のできる生き方を求めて僧侶となる。
・サイバー僧侶
お寺生まれIT育ち。趣味が高じてIT業界に進むも、自らの使命に気付き僧侶の道に。最新機器への物欲が目下の悩み。
・リア充僧侶
仕事もプライベートも嫌味なほどに充実。しかしどんなに忙しくても、毎日の仏さまへのお勤めを欠かさない20代僧侶。
≪本日の人生僧談≫
ペンネーム「くまま」さん(年齢アラフォー)からの相談
「謝り方を教えてほしいのですが」
大切な人をものすごく怒らせてしまいました。
今度会う機会を持てそうなのですが、どの様に謝ったらいいのでしょうか…。
普段はものすごく優しくて温厚な人です。そんな人を怒らせてしまって、毎日後悔と反省の毎日を過ごしています。
ちなみにその人はお坊さんで、私はアラフォー、彼はアラサーです。
公:気が気じゃないよね。とりあえず早く謝ったほうがいいよ。誠心誠意きちんと謝るべき。
サ:そうなんだろうけど、どんな方法で謝るのがいい?
公:手紙がいいと思う。
リ:今度会う機会を持てそうって言ってるけど、先に手紙で送っておくということ?何か相手の好きな品物を送るよりも??
サ:品物なんか送ったら、物で解決しようと思われるのがオチでしょ。
公:手紙がいいのは目の前に怒る対象がいないこと。冷静にその人の気持ちを確認することが出来る。でも長文はダメ。手書きでシンプルに「ごめんなさい」の気持ちを書けばそれでいい。
サ:便箋2枚くらいかな。ただ手紙には相談者の言い訳を書かないよう注意しなきゃいけないよね。
公:こっちの言い分を分かってほしい気持ちも分かるけど、それを出されると相手はしんどくなる。謝る以上は相手に何も求めないことが原則。
リ:ところで相手の彼はお坊さんなんだよね?年下の彼とか??
サ:「大切な人」って言ってるから、やっぱり恋愛対象の人かな。でも彼も分かってくれるよ。少なくとも僧侶である僕は、この相談者にすごく好感が持てる。僧侶だって完璧じゃないし、自責の念を持つ人に好意を持つんじゃない?
公:普段すごく温厚な人が怒ってるんでしょ。だったらそう簡単に許してくれないと思うけどな。俺だったら簡単には許さないし。
サ:そんな。。あなたが言うと余計に怖く聞こえるよ(汗)
公:まぁ、人の気持ちは変わるものだから、怒りの感情も当然変わっていくと思う。だから今は謝ることが先決。
リ:許しを求めずシンプルに謝る。結果はあとで付いてくると。
公:彼が時間がたって冷静に判断できる僧侶であることを、一僧侶として期待したい。
サ:あと相談者はアラフォー・アラサーって年齢も書いてるけど、お互いの年の差に何か感じてることがあるのかな?
公:年下の彼は、年上の相談者である彼女に期待していることが大きかったのかも。
リ:どうでもいい人だったら、それこそ怒りもしないもんね。関わりが深かった分、理想と現実の狭間に怒りが生じてしまったっていうことかな。
公:彼にとって相談者が大切な存在だからこそ、本気で怒ったんだと思う。だからこそ相談者は今の気持ちを素直に伝えて欲しい。大切な人であればその想いにきっと耳を傾けてくれる。
《中締め》
言い訳をせず、許しも求めず、素直に謝ることが先決。次に彼に会う前に、いまの気持ちを手書きの手紙で伝えてみよう。本気で怒るのは、彼がそれだけあなたへの気持ちがある裏返し。人の気持ちは変わるものだし、結果はあとからついてくる。