遊んで、作って、仏教に触れる?人と人とをつなぐマスキングテープができるまで│HIROMARU PROJECT藤井大樹さん、藤田圭子さんインタビュー<前編>

 
「お寺の役割」といえば何が思い浮かびますか?
例えばお葬式や、地域の集会所、子どもたちの自習スペースとして貸し出されているお寺もあります。これらは全て、人と人とをつなぐご縁の役割を担っているといえるかもしれません。
 
今回のインタビューは藤井大樹(ふじい・ひろき)さんと藤田圭子(ふじた・けいこ)さん。お二人はHIROMARU PROJECTという活動を通して、日々ご縁の輪を広げるさまざまな試みをされています。
前編では、HIROMARU PROJECTの中で企画された「おてらnaマステ」について詳しくお聞きしました。
 

(画像をクリックでおてらnaマステクラファンページへ)

 
 

デコレーションやアートに!広がりを見せるマステの可能性

 
――マスキングテープ、いわゆるマステは今デコレーションやシール雑貨として活用され、人気を博していますよね。そのうえで、おてらnaマステとはどういった企画なのでしょうか?
 
藤井大樹さん(以下:藤井):企画名というより、マスキングテープ(以下:マステ)と、ボードのセットのことを「おてらnaマステ」と言っています。マステをボードに貼って、作品を作るツールですね。マステにはお寺の天井の柄が印刷されています。
 

おてらnaマステ(写真提供:HIROMARU PROJECT)

 
――マステを使ったツールを作ろうと思ったきっかけは何だったのですか?
 
藤井:新型コロナウイルス感染症の影響で、人が集まる法座や法事の中止を決断したお寺が多くありますよね。しかし、このままではどんどんお寺と人びとのつながりが薄くなってしまうと思いました。そこで、お寺の活動を再開したときに使える新しいツール作りが必要だと考えたんです。
 
そんなとき、「お寺のマステがあったらいいね」というお声をいただきました。私にはマステを作るという発想がなかったので、提案してくださった人も交えて作っていくことになりました。
その時点ではマステに印刷する絵柄は決まっていなかったのですが、企画を練っているとき、お寺の内陣、とくに天井がとても綺麗だという話になったんです。天井が印刷されたマステはとても綺麗で新しいんじゃないかと。
 
――確かにお寺の絵柄のマステは珍しいかもしれませんね。
 
藤田圭子さん(以下:藤田):もともとマステがよく使われるのは建築分野で、主に塗装の際、着色部分以外を汚さないために用いられます。しかし今、荷物やプレゼントを送るときのデコレーション用のテープとして使ったり、切り貼りしてアート作品を作られたりしている方もいらっしゃいます。他にもご当地限定のマステを販売している地域もあり、さらにそれを収集されている方の間でも盛り上がりを見せるなど、マステはいろんな用途で使われているんです。
おてらnaマステは主に作品作りや、デコレーションとして使っていただいています。
 
マステは粘着力が弱いため貼ったり剥がしたりしやすいという特徴があります。さらに和紙を使っているためハサミなどを使わなくても手でちぎりやすく、ちぎられ方がまばらになるところもマステならではの味ですよね。
 
藤井:また、もともと塗装用で使い捨てにされていたマステが、アートの主役になるという価値観の転換が起こるわけです。私はこの捉え方一つで価値観が大きく変わる、というところがおもしろいと感じました。私が住職を努めている教雲寺でも、おてらnaマステを使ったワークショップを開き、子どもたちの価値観の醸成を行っています。
 
――どのようなワークショップになりましたか?
 
藤井:定期的に開催している日曜学校のなかで、子どもたちにおてらnaマステを使って遊んでもらいました。
教雲寺 2022年6月の日曜学校のようす
子どもたちみんながボードに思い思いに想像力を発揮して切り貼りしていましたね。
 
ワークショップの流れはこうです。
 

①参加者にボードのみを渡す
②おてらnaマステの紹介
③一人ひとり違う絵柄のマステを配り、みんなで交換しながら自分のボードに切り貼りしてもらう
④親御さんにもマステの説明
⑤作品を互いに見せあう

 
また、このマステは教雲寺の天井の絵柄で作成したものでもあるので、マステの絵柄と実際の天井を見比べてもらう時間も設けましたね。
 
――おてらnaマステは、ただのテープとしてではなく、絵柄や用途によって新たなご縁を結ぶツールとなっているのですね。
 
 

おてらnaマステができるまで

   

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掲載日: 2022.10.17