重要なのは価値観の転換!新入社員に説く、「役に立つ立たない」ではないモノの見方│藤岡教顕さんインタビュー<前編>
(写真提供:藤岡さん)
熊本県にある明導寺。このお寺の住職である藤岡教顕(ふじおか・きょうけん)さんは、明導寺でのご法座はもちろん、学校や会社の研修、高齢者大学などで仏教を軸にしたご講演をされています。
今回は、そんな藤岡さんのお寺「外」での活動について伺いました。
どんなときも僧侶でいる
――簡単な自己紹介をお願いします。
藤岡教顕さん(以下:藤岡):熊本県湯前町 明導寺住職 藤岡教顕です。湯前町は宮崎県との県境にあって、熊本市内、宮崎市内、鹿児島市内に行くのも車で2時間ほどの場所にあります。
明導寺の本堂は大正15年に五代目住職の長男 藤岡眞月(ふじおか・しんげつ)が建てた西洋建築で、国の有形文化財に指定されています。建立当時は周りに建物がなかったので、地域の拠り所として、文化の殿堂となるよう眞月が自分で建築を学び建てたそうです。
そういった由来で建てられたお寺ということもあり、現在もどなたでも気軽に集ってもらえるよう、お寺づくりをしています。
――住職として大切にされていることは何ですか?
藤岡:僧侶の恰好をしていないときでも僧侶である意識を持つことですね。
「住職課程」という布教を学ぶ試験で担当してくださった先生から「藤岡くんのお寺は田舎にあるから、近所の人たちはみんなあなたのことを知っている。だから、僧侶の恰好をしているときに僧侶であることは当たり前、衣を脱いだときのあなたの姿をみんなは見ているからね」というお言葉をいただきました。今も自分自身を省みるためにも、その言葉は常々意識しています。
また、ご門徒さんたちの話を聞くことも大切にしていますね。人が来てくださる機会には何気ない会話を入り口に、ご質問やお悩みを聞いたり、仏教的な考え方を共有したりしています。
――僧侶にはどのような役割があると思いますか?
藤岡:ご門徒さんに寄り添い、仏教のみ教えを拡げていく役割です。だから布袍を着て法話をしているときだけではなく、普段から自分自身が仏教に根付いた行動をすることで、布袍を着ていなくても伝えていけるものだと思っています。
しかしこれが完璧にできているとは思っていません。だからこそ、絶えず仏法に照らされている身であるという自覚を失わないようにしたいですね。