「相手を大切に」柔道を教えるお坊さんが伝えた生きるうえで大事なこと│藤岡教顕さんインタビュー<後編>

(写真提供:藤岡さん)

 
前回に引き続き藤岡教顕(ふじおか・きょうけん)さんにお話を伺っていきます。
仏道とともに柔道という「道」も歩まれてきたという藤岡さん。今回は、そんな柔道について、また柔道と仏教の共通点についてお聞きしました。
 

 
 

柔道ってどんなスポーツ?

 
――柔道を始められたきっかけを教えてください。
 
藤岡教顕さん(以下:藤岡):最初は父にやらされたからです。祖父をはじめ親族に病弱な人が多かったので、体が強くなるように始めさせたんだと思います。だから、始めた当時は嫌で仕方ありませんでしたね。
3歳くらいから柔道教室に通い始め、5歳くらいから本格的に柔道に取り組みました。高校、大学と続けて、それから龍谷大学の女子柔道を指導するようになりました。学生と保護者からは「団体で日本一になるか、オリンピック選手を輩出するまで熊本に帰らないでほしい」と言われていましたが、お寺の跡を継ぐため帰らざるを得なくなりました。
 
後任は信頼できる教え子に託し、そして見事2018年創部初の団体日本一になってくれたんですよ。
 
――学生さんたちにとても信頼されているんですね。
藤岡さんが指導される中で、一番伝えたかったことは何ですか?

 
藤岡:チームメイトはもちろん、相手のことを思うことの大切さは伝えてきましたね。私はそこに仏教の精神が隠れていると思っているんですよ。
 
柔道は「相手がいる」ということがとても大事なスポーツです。
 
柔道の生みの親である嘉納治五郎先生がおっしゃっていた「精力善用 自他共栄」という言葉からもわかります。社会生活の中で自身の力を世の中の役に立つために使うこと、そのためには他人を信頼して協力することで自分も他人も一緒に栄えることが大事なんです。
自他共栄は、仏教で言うところの自他一如と通じるところがありますね。自分と他人は関わり合っているから、他人を大事にすることは自分も大事にすることであるということです。
柔道と柔術が区別して名付けられたのは、力の勝負だけではなく対戦相手への敬意を重んじるからです。相手にちゃんとお礼をするという礼儀を大切にするんですよね。こういうところが、柔道と仏教が似ていると感じています。
 
 

柔道を生き方に

   

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掲載日: 2023.01.19