「大丈夫だよ」と言える他人を目指して。|八幡真衣さんインタビュー<後編>
――最後に、テンプル食堂の今後の展望を教えてください。
八幡:現在の状態は、私が食堂を始めた5年後、2025年ごろに目指していたビジョンだったりします。つまり、思い描いていたことがわずか2年で達成しました。
今後は、最近始めた常設型の食堂や地域のコミュニティカフェといった活動をしっかり形にできればと思います。
加えて、京都や熊本、沖縄等の各テンプル食堂同士で連携・交流して他県の友だちを作るきっかけを模索しています。転居する可能性もある現代で、別の地域に引っ越したときに新たな居場所になるかもしれませんよね。
別の地域に友だちがいれば、何らかの理由でその地域に転居したときはもちろん、転居しなくても心の支えになり得ますよね。
将来、子どもたちに食事の支援をやらなくて良い日が来たとしても、地域の場は必ず必要だと思っています。食はあくまでも手段で、その目的はみんなが共に過ごす場を用意することで、子どもたちや地域の方々を支えることなんです。
世の中には、苦しみを抱えながらも声を上げられない子どもがいっぱいいます。それは、親や友人を愛しているからこそ言えないという優しい気持ちがあるからかもしれません。そして、そんな子どもたちを支えられるのは他人なんです。
他人だからこそ、少しそばに立って、お話を聴いて「大丈夫だよ」と支えられるんです。そんな優しい他人の姿を私たちは目指しています。
――ありがとうございました。
編集後記
今回は、テンプル食堂のご活動をされている八幡真衣さんにインタビューしました。食事の支援から始まった活動ですが、今では体操教室や食育など、様々な形での支援が展開されています。また、常設型の子ども食堂にも、様々な支援物資が届いているそう。八幡さんのご活動を通して、支援のあり方は一つではないことを教えていただきました。
八幡さん、ありがとうございました。
(画像提供:八幡さん)