後悔しない墓じまいとは?お墓と上手に向き合うコツ│有限会社川本商店インタビュー<後編>

cafeかのんの様子

後悔しない墓じまいとは?お墓と上手に向き合うコツ
有限会社川本商店インタビュー<後編>

 
前回に引き続き、日本の“骨文化”を育む墓装用品メーカー・川本商店さんにお話をうかがいました。
 
前編はこちら
お墓は本当にいらない?お墓がないことによって失うもの、得られるもの│有限会社川本商店インタビュー<前編>
 

 

プロフィール

 

川本恭央さんの写真
代表取締役 川本恭央(かわもとやすお)さん
昭和40年12月1日生まれ 55歳
日本大学法学部卒業
一般社団法人日本尊骨士協会 代表理事・一般社団法人日本石材産業協会 常任理事
全日本宗教用具協同組合 理事・一般社団法人終活カウンセラー協会 理事
尊骨士・お墓ディレクター2級・仏事コーディネータ―・終活カウンセラー上級・看取り士・保護司

 

川本雅由さんの写真
部長 川本雅由(かわもとまさよし)さん
平成5年9月19日生まれ 27歳
玉川大学工学部卒業
一般社団法人日本尊骨士協会 理事・おくりびとアカデミー認定 納棺士

 
 

コロナ禍で問われる“死”との向き合い方

 
ーー「宗教離れ」と言われる現在でも、多くの日本人はお墓参りの習慣があるとされていますね。
 
川本恭央さん(以下:恭央さん):お墓参りで得られるものは少なくありません。お寺やお墓は非日常空間です。人は環境によって考えも変わります。参道を進む中で日常から非日常へ、お墓参りによって普段と違う視点が得られることもあります。
葬儀と異なり、お墓参りは時間がたっぷりあります。親を思い出し、優しい気持ちになり心が開く、そのタイミングでお坊さんから人として進むべき方向を伝えていただきたい。特に今は新型コロナウイルスの蔓延で、高齢者に限らず、多くの日本人が死の不安を感じています。お寺さんの力を借りて、ともに死を受容する文化を育んでいきたい。供養産業と一丸となって前に出るべきだと思います。
 
ーー近年、お墓や供養に関して、どのような変化を感じますか?
 
恭央さん:お墓の選択肢が増えてきたのはよいことだと思います。
 

「様々なお墓の形態」(一般社団法人終活カウンセラー協会講演資料)

 
たとえば海洋散骨は、環境問題など賛否はありますが、船に乗るという非日常のなかで、故人に対する感謝の気持ちが出てくるとすれば良い面はあると思います。
いま選ばれるお墓の種類としては樹木葬が4割と言われています。子どもに迷惑をかけたくないという優しい気持ちによるものだと思います。しかし、私どもはお墓には継承と供養の2つの目的があると考えています。供養とは供に養う、つまり先祖と共に生きている自分が養われると考えてお墓の形を選ばなければならないと思います。
 
 

日本人は自己肯定感が低い?まるごと認めてくれる宗教者の存在

 
ーーお寺や宗教者の役割をどうお考えですか?
 
川本雅由さん(以下雅由さん):宗教は昔、祈りを捧げて災害を鎮めるなどの役割を果たしてきたのだと思いますが、科学が発達した現代では宗教にどのような意味があるのだろう、と素朴な疑問が湧いてくることもあります。私のような20代の若者の多くは、ひとつの宗教に対する信仰を持っていません。宗教が受け入れられていくためには、何らかの社会的意義が必要だと思います。かつては災害を鎮めるなどの意味があったように。たとえば貧困、格差、差別などの切実な社会課題に取り組むことが、これからの宗教の役割だと私は思います。
 
恭央さん:私は、お寺も公益法人なので、地域のために貢献して、みなさんの心がきれいになる手助けをしてほしいと思っています。宗教者が法衣を着て、先祖や親への想いを聴き、その感情をまるごと認めてあげることはとても大事なことだと思います。日本人は自己肯定感が低い民族です。認められると感動するんですよ。お寺はいきなり説法をするのではなく、まず相手の想いを聴いてほしい。受け容れてもらえたという感動が先で、教えはその後に入っていくものだと私は思います。
そして、宗教者の一番の役割は死を受容する教えを伝えることではないでしょうか。人間の苦悩のなかで一番はやはり「死」。それを受け入れる覚悟ができたときに、人のことを思いやれると思います。視野を広げてあげられる宗教者の方の導きは必要だと思います。
 

墓じまいで後悔しないために

 
ーー実家の墓じまい、改葬(お墓の引っ越し)に悩まれている方が多いと聞きます。少子化・後継者不足のなかで、お墓の管理はどうしていけばよいのでしょうか?
 
雅由さん:なかには安易に墓じまいをしてしまい、いずれ自分が入るお墓をどうしよう、と困る方もいらっしゃいます。墓じまいは、墓をしまったあとに自分や子どもがどうするかまで想定していただくことが大事だと思います。
 
恭央さん:墓じまいに悩まれている方は、素敵な心の持ち主だと感じます。こんな時代にお墓を放っておかずに、どうにかしたいと考えておられる時点で、素晴らしいことだと私は思います。ただ、墓じまいが単なる作業になってしまっては寂しいですし、供養の選択肢もいろいろとありますので、「日本石材産業協会」にご相談されるのもよいかと思います。営業ナシの公平なアドバイスがもらえますので、ご安心ください。弊社でも終活コミュニティ「cafeかのん」を運営しておりますので、お気軽にお尋ねください。
 

「cafeかのん」の様子

 
 
ーー今後の展望をお聞かせください。
 
雅由さん:人のためになる仕事をしていきたいです。川本商店を続けることによって、周りの人が幸せになることを実感していますし、そんな川本商店を今後も遺していきたいと思っています。お墓の形が変われども、会社の本質は変えずにやっていきたいですね。これまで関わってくださった方々の想いに見合う自分になりたいと思います。
 
恭央さん:あと7年で会社が100周年なので、そのタイミングで息子に継承したいと考えています。色々と親を反面教師にしながら事業を育ててもらえれば、と期待しています。私としては、訪問によるスピリチュアルケアなど、人のために仕事をしたいですね。
 
ーー本日はありがとうございました。
 
 

<編集後記>

コロナ禍で多くの方が死の不安を感じている今だからこそ、お墓を通じて死を受容する文化を育んでいきたいと語る恭央さん。一方で現実としては、安易な墓じまいで後悔している人も多いと言う雅由さん。
創立100年の節目を迎える川本商店は、これからも人々に寄り添っていかれることでしょう。
お墓について悩む方は少なくありません。
まずは一人で抱え込まずに周囲に相談してみると、納得できる選択肢が見つかるかもしれません。

 
記事作成:他力本願.net
掲載日: 2021.07.26