葬儀を通じて考える、持続可能な家族のあり方|お寺で知る終活講座第4回レポート

 

印象的な葬儀の事例とは

 
増井:続けて、私が経験した印象的な葬儀の事例を3つご紹介します。
 

【葬儀の事例①】

84歳の女性を見送ったとき、おばあちゃんと参列者各々との思い出を、1人1分ほどで披露するということを提案し、心温まる葬儀になりました。
 

【葬儀の事例②】

故人の部下の方から、生前にとてもお世話になったという感動的なお話をうかがった。しかし、本来は私ではなく、家族が聞くべき話だと思いました。以後、提案しているのは時差参列です。予約制で参列時間に差をつけ、感染症対策に留意しながらご家族と故人に会う機会を創出しました。
 

【葬儀の事例③】

お子さまを流産で亡くされたお母さまに、お骨の前に手を合わせることを勧めました。その後新たないのちを授かり、無事出産されました。そのお子さんは物心がついてきたとき、僕ものんのんしてもいい?と言ったそうで、お母さまは涙されたそうです。そのような場をつくるのが葬儀社の仕事だと思っています。
 
葬儀以外にも、継承を補完する方法として、お墓参りや法事は大切です。
お墓の機能は大きく分けて2つです。それはお骨の収容と、お墓参りです。
お墓の種類は、家墓、納骨堂、合祀墓、散骨(樹木葬・海洋・宇宙など)などさまざま。
さらに、芸能人の追悼サイト、その人の生前のブログ等もあります。
 

まとめ

 

増井:本日の内容をまとめますと、
家族継承はその人のモノ・カネ・ヒトを後の人に託すこと
冠婚葬祭は、親族とのコミュニケーションが可能な、貴重な機会
とりわけ葬儀の場できちんと話し合いをすることで継承がスムーズになる
継承は葬儀・お墓参り・法事などで少しずつ行われる
ということです。
 
葬儀の方法はさまざまですが、一人ひとりに向き合った葬儀でヒトの想いを引き継いでいくお手伝いをしていければと思います。
 

質疑応答の記録

   

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掲載日: 2022.01.31

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