葬儀を通じて考える、持続可能な家族のあり方|お寺で知る終活講座第4回レポート

 

「お寺で知る終活講座~本当にあった事例から知る親子の本音~」。第4回は、増井康高(ますい・やすたか)先生(株式会社ひまわりコーポレーション(お葬式のひなた)代表)をお招きし、葬儀・納骨についてご講演いただきました。講題は「持続可能(サスティナブル)な『家族の継承』に必要なこと」です。
 

-講師紹介-
2015年から東京・神奈川にて「お葬式のひなた」という葬儀社と百合ヶ丘家族葬ホールという葬儀会館を運営され、年間600件の葬儀を請け負っておられます。「話しかけやすい」「聞きやすい」「言いやすい」「本音で話しやすい」「相談しやすい」ということを大切にして、担当者として2000件の葬儀をサポートされてきました。さらには1200名在籍の終活のWEBコミュニティやYouTubeチャンネルも運営されています。

  

講義概要

 

増井康高さん(以下 増井):私たち葬儀社は、多くの人にとって、大切な方を亡くしてからはじめて出会う存在です。これまではそういった立ち位置だと思って仕事をしてきました。ところが、新型コロナウイルスの感染症拡大により、不要不急な外出や集まりを控える世の中で、葬儀の参列者が集まりづらい環境になりました。
 
そのため、亡くなる前からの情報発信と、感染症拡大下においても可能な葬儀の方法の提案が必要だと考えるようになりました。これまで葬儀は家族代々のスタイルで行うのが一般的でしたが、昨今ではうまく受け継がれなくなってきました。世間では持続可能、SDGsという言葉が浸透してきていますが、それと同様に家族継承も、持続可能でなくてはならないと思います。
本日は、葬儀や法事はなぜ行った方がよいのか、継承すべきものは何か、ということをテーマとしてお話をさせていただきます。
 

万が一の時に備えて

 
増井:当たり前ですが、人間も生き物である以上、必ず死にます。それでも自分や家族は当面死なないんじゃないか、と思っている方が多いのですが、亡くなった後のことは誰かになんとかしてもらわないといけません。
 
何ものこしたくないと思っていても、モノや金銭、スマートフォンなどに入っている情報の処理を誰かにやってもらわなくてはならず、その役目として家族に継承していただくのが一般的です。その際に、しっかり引き継ぎをしていなければのこされた者の負担になります。
 
例えば、貸金庫の情報を伝えていないと大変です。すべてが業者頼みとなると、経費がかかりますし、短時間で引き継ぐことは難しいため、事前の準備が必須です。引き継ぐ人が複数人いる、一緒に住んでいない、たまにしか会えない、ということもあります。また、伝えるのに心の準備が必要で、手紙を書くとなると手間がかかります。親類と会うタイミングも減ってきて、冠婚葬祭くらいしかその機会がありません。このように継承は一筋縄ではいかないものです。
 
冠婚葬祭といった通過儀礼は、数少ない親族とのコミュニケーションの機会です。参集のたびに家族であることを再確認する、人生にとって重要な出来事です。しかし、現代の冠婚葬祭は軒並み親類が集まるケースが減ってきました。その中でもまだ葬儀は比較的、一族で集まることが多い機会です。
 
増井:継承というと、どうしてもモノやカネに意識が向きがちですが、本来はヒト(想い)の引き継ぎがメインではないかと思います。私たちは両親・祖父母・ご先祖から何らかのものを引き継いできているはずです。私自身、母を亡くしたときには分からなかった親の気持ちが、親になったいま分かるようになりました。このように時間差であらわれてくることもあります。
 
誰が受け継ぐのかというと、血縁の方が一般的ですが、家族継承のことや、万が一の際の対応について、家族でしっかりと話し合うこと、そして、葬儀社を探しておいて、いつでも対応していただけるように準備をしておくことが重要です。
  

上手な葬儀社の選び方

 

増井:ここで、葬儀の基礎知識をあらためて確認しておきましょう。
葬儀の費用の全国平均は2010年に200万円だったのが、2020年には119万円に下落。参列者の全国平均は55人ですが、20人未満のケースが一番多いです。
葬儀の長さは大きく分けると3パターンあります。
 

直葬は約2時間
一日葬は約5時間
一般葬(通夜・葬儀・告別式)は約20時間

 
想いを受け継ぐためにはある程度の所要時間が必要になります。
また、葬儀社さんの探し方は、このような優先順位で探すとよいでしょう。
 

1、信頼できる知り合い
2、信頼できる人からの紹介
3、近所の葬儀社
4、ネットで価格比較

 
説明が上手い葬儀社さんよりも、質問をしやすい葬儀社さんを探すことがポイントです。
また、資料だけをもらうのではなく、話を聞きに行って印象を確かめることも大切です。
 

印象的な葬儀の事例とは?

   

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掲載日: 2022.01.31

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