課題解決や新たなアイデアを生むために大切なこととは?|「教育に関わる雑談する会」―兵庫県西正寺

 

雑談から生まれた大切な気付きとは?

 

会の様子(写真提供:中平さん)

 
――ご活動を通して、どういった成果がありましたか?
 
中平:活動の中で、雑談する会に参加している人たちと実際に小学校で行われている性教育の授業を聞いてみようという提案があり、9月に行った会では、小学校で行われている性教育の授業を体験するという機会を作ることができました。雑談が基本の会で、初めてテーマが設定された回でもあります。
市内の小学校の養護教諭の先生が、月経や射精といったことについて思春期を迎える小学生に対して行う授業をみんなで聞きました。
 
――そうしたことを大人が改めて学ぶことで、どういった気付きがありますか?
 
中平:参加者のみなさんからは、「自分たちは、男女別で、しかもカーテンのしまった薄暗い部屋で授業を受けたので、生理は隠すものと刷り込まれていた」とか、「そもそも、学校で性教育をちゃんと受けた記憶があまりない」といった声がありました。実際、今もきちんと初経や精通についての授業がどこの学校でも実施されているとは言えないそうで、学校や先生の意識によって差があるようです。
 
この性教育の授業を聞いてみようという話、そもそもは、2021年の7月に、私の誕生日をきっかけに「バースディドネーション」として、募金を呼びかけ「生理の貧困」(*1)に取り組んでいる生理用品の寄付活動を行うNPOに寄付を行なったことがきっかけでした。
そのNPO団体の代表も熱心な方で、「教育に関わる雑談する会」にも積極的に携わってくださっています。その取り組みから、上記のような会が企画されました。
 

(*1)「生理の貧困」

経済的な理由で生理用品を購入できない女性や女の子がいるという問題のこと
(内閣府男女共同参画局より

https://www.gender.go.jp/policy/sokushin/kenko/periodpoverty/index.html

 
そもそも一般的に男性って生理について全然知りませんよね?パートナーがいても、どんな生理用品を買っているかも知らないじゃないですか。ましてや、それがどれくらいするものなのかも知らないですよね。
 
生理用品は人によって、月に数百円から多い人では数千円という費用が発生することもあるそうです。生理用品の費用に1か月あたり2,000円~3,000円支出があったとしたら、女性であるだけでマイナス2,000円~3,000円になっているということですよね。生理用品を無償で配るということは、女性を優遇したり、不平等なことをしているということではなくて、むしろ不平等な状況をフラットにするための議論だということに気が付けると思います。
 
――毎月のことですから、積み重なるとたしかに大変な負担ですよね。
 
中平:こうやって雑談していると、これまで腫れ物扱いされてきた「生理」のことも話題にしやすいですよね。女性のパートナーがいる男性でも、「俺、そんなん知らんかったわ」みたいな感じで、改めて関心を持ってくれるようなこともありました。
 

まとめ

 

会の様子(写真提供:中平さん)

 
今回は、西正寺住職の中平さんに「教育に関わる雑談する会」について教えていただきました。
雑談というリラックスできる場を用意することで、いろんな情報が集まり、新たな話題が生まれ、参加者の気持ちが前向きになっていく様子が窺えます。
教育に限らず、「雑談」の大切さを学んだインタビューとなりました。
 

インタビューは後編に続きます。後編ではよりお話を深め、僧侶が社会的活動を行う意味や、お寺で催しを行う意味についてもお伺いしました。
 
<インタビューの続きを読む>
「カリー寺」「よいかなよいかな」「教育に関わる雑談する会」……多くの催しを行ってきた西正寺 中平住職が考える、お寺のあり方とは(近日公開予定)
   

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掲載日: 2022.02.21

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