課題解決や新たなアイデアを生むために大切なこととは?|「教育に関わる雑談する会」―兵庫県西正寺

(写真提供:中平さん)

 
「カリー寺」「よいかなよいかな」など、多くのイベントを行われてきた兵庫県尼崎市の清光山 西正寺。2021年からは「教育に関わる雑談する会」というイベントが行われているそうです。
古くは「寺子屋」という形で教育と密接に関わってきたお寺。令和の西正寺では、いったいどんな関わりがあるのでしょうか?前編ではそんな「教育に関わる雑談する会」について、西正寺住職の中平 了悟(なかひら・りょうご)さんに教えていただきました。
 

雑談から、前向きな話を。

 

西正寺住職の中平了悟さん(写真:他力本願ネット)

 
――西正寺さんでは「教育に関わる雑談する会」という催しをされていると伺いました。これは、どのような催しなのでしょうか?
 
中平:タイトルの通り、教育に関わる雑談をしています。あくまで「雑談」なので、大掛かりなイベントではありません。雑談しましょう、と呼びかけているだけですね。
参加者が少なくても、呼びかけた人だけでおしゃべりしていればいいかと言っています。
結果的にいままでは、学校の先生など、主に教育の現場に携わる人が参加してくれています。
 
――どういったきっかけがあり、始められたのでしょうか?
 
中平:2021年度から、尼崎市の教育委員として教育行政に関わらせていただくようになりました。行政のお仕事は、着実に丁寧に行われています。一方で「ムダ」に見えるものはあまり好まれませんよね。しかし、それは逆に言えば「必要でないもの」を取り入れることはむずかしさがあるように思います。
 
例えば、クーラーが壊れたり、壁にひびが入るといった明確なトラブルは相談や連絡が行われますよね。必要ですから。しかし、現状でも問題ない状態からの改善案や、全く新しいチャレンジというのは、新しい仕事を増やすようなことでもあり、求められないと表に出すのは難しかったりしますよね。では、そうした創造的なことやポジティブなことが生まれるのはどこかといえば、雑談ができる場所じゃないかなぁと思ったんです。
 
――正式な手続きを踏まない「雑談」が大事、ということですね。
 
中平:クリエイティブなことや面白いことを思いついたりするのは、思い付きを否定されずに、自由に心のなかを開くことができる時間じゃないですか。例えば、休憩中のコーヒータイムとか、会食しているときとか。
気軽に話せる子どもの権利に関わる仕事をされている市職員さんがいて、タイミングを見計らって「雑談しませんか?」とお誘いしました。そこから、何人か輪が広がればいいかなくらいでフェイスブックで告知したところ、1回目は10人くらいの規模になりましたね。
当日は、「教育はこうあるべき」とか、「こんな風になってほしい」というような、前向きな意見やアイデアがたくさん出されていました。
 
――教育に関わる雑談する会にはどういった方々が来られるのでしょうか?
 
中平:「教育に関わる雑談する会」には行政職や教員、保護者、塾の経営者、教育委員などが来られています。そのほか、スクールソーシャルワーカーや社会福祉士さんも来られることもありますね。
 
――教育に関わる雑談する会ではどんな話が出るのでしょうか?
 
中平:例えば、障がいがある子どもと他の子が一緒に学ぶにはどうすれば良いんだろう?という話や、もっと、地域と学校が連携するにはどうしたらいいかというような話題が出されていました。
 
――確かに、前向きな話題ですね。
 
中平:そうですね。参加者の中には、そんな話を聞いて、こんなにも学校教育を気にしてくれている人がいるんだと感心される方もいらっしゃいました。
ほかには、学校の先生が大きな負担を背負っていることや、スクールサポーターについても話されました。みんなが関心をもっている教育について、それぞれの立場から話し合うだけでしたが、そこに「豊かさ」が生まれているような気がしました。
 
――立場や現場が異なる方が雑談して、前向きな気持ちになって帰っていかれる、ということですね。あくまでも「雑談」で議論ではないというところがポイントかもしれませんね。
 

雑談から生まれた大切な気付き

   

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掲載日: 2022.02.21