仏教は英語で学ぶと分かりやすい?|~カンタン英語で わかる・伝わる~「英語でブッダ」―山口県超勝寺
ニーズに応じて、多様なカリキュラムを
(画像提供:大來さん)
――「英語でブッダ」にはどういったカリキュラムがあるのでしょうか?
大來:いくつかのカリキュラムを用意しています。
例えば、「合掌」や「悟り」といった日常生活の中でも聞くような仏教用語を、英語で説明できるようにするカリキュラムでは、英訳を通して言葉の持つ意味を考えることを目標としています。
そして、「四諦八正道」、「四法印」、「空」、「縁起」といったより専門的な仏教用語を通して、より深く仏教を学ぶカリキュラムもあります。また、最近では、ブッダの一生を英単語で学んでいくというカリキュラムも用意しました。
――オンラインではどういったカリキュラムがあるのでしょうか?
大來:オンラインでも、主に3つのカリキュラムを用意しています。
1つ目はNHKカルチャーでのオンライン講座です。こちらは、英語で書かれている仏教書物や資料を読み解いていく、上級者向けのカリキュラムです。翻訳を通して、海外では仏教はどう捉えられているかを学ぶことができる内容になっています。
2つ目が観光・通訳協会向けのオンライン講座です。主に、海外の方に日本の寺社仏閣の観光案内をする方向けの講座ですね。
寺社仏閣の英単語は非常に特殊で、きちんと意味を学ぶ必要があります。また、寺社仏閣には興味があっても、仏教そのものに対しては無理解な人もいます。講座では、はじめに仏教とは何かをお伝えして、続けて寺社仏閣で必要な英単語や、日本仏教の歴史、各宗派の教えをお伝えしています。
そして3つ目が、銀座サロンでのオンライン講座です。
こちらは築地本願寺が展開する銀座サロン主催のオンライン講座です。築地本願寺ということで、数あるカリキュラムの中でも、こちらでは浄土真宗に特化した内容などを実施しています。
――いろんなカリキュラムがあるんですね!どのカリキュラムが人気なのでしょうか?
大來:オンラインの通訳協会の方に向けた講座が一番人気だと感じています。海外の方に観光案内をする際に英語は必須ですが、ただ観光の情報を英訳して伝えるだけでは不十分だと感じておられるようです。
また、観光案内で寺社仏閣に訪れる機会は多くても、仏教や宗教の教えまでは深く考えたことがない方も多いらしく、講座を通して仏教に興味を持ってくださる方もいらっしゃいました。
――ご活動の中で工夫されていることはありますか?
大來:基本的なことではありますが、自分が理解できていないことは話さないようにしています。翻訳をする際も、まずは漢字をひらがなにして日本語での意味を抽出して、それを英訳するようにしています。
ただ単に漢字を訳せば良いわけではなく、その意味をきちんと理解した上で翻訳しないと、本当の意味での翻訳にはならないんですよね。
また、講座にはご門徒の方だけでなく、他宗派、他宗教を信仰されている方もいらっしゃいますので、そうした方々にも伝わりやすい表現になるよう心がけています。