「お坊さんの悩み相談」をLINEでも。|お寺のLINE活用術ー広島県崇興寺<後編>

 
お寺のLINE活用術を、広島県崇興寺の枝廣慶樹(えだひろ・きょうじゅ)さんに伺っています。前回記事では、お寺の情報発信はもちろん、電話に代わる第二の通信手段や悩み相談の窓口としても活用できることを教えていただきました。後編となる今回は、そんなLINEを活用した悩み相談について深堀りしてみました。
 

 

お坊さんにLINEで悩み相談という選択肢

 

崇興寺住職の枝廣慶樹さん(画像提供:枝廣さん)

 
ーー枝廣さんはLINEで悩み相談もされているとのことですが、これはどういったご活動でしょうか?
 
枝廣:その名の通りではありますが、崇興寺の公式LINEを活用して、2020年よりオンラインで悩み相談を行っています。
 
ーーどういったきっかけがあったのでしょうか?
 
枝廣:LINEを活用する前からお寺で悩み相談自体は行っていたんです。そして、新型コロナウイルス感染症の流行が始まった頃、テレビで自死者の増加を危惧する特集がされていました。社会全体が沈んで精神的につらい人が増えるだろうと。そこで、何か出来ないかと思ったときに、公式LINEを活用した悩み相談の活動も思いついたんです。
 
ーーご活動の様子を教えて下さい。
 
枝廣:崇興寺の公式LINEの音声通話機能を使って悩み相談を行っています。パソコンでLINEを起動し、メモをとりながらお話を聞いています。
完全予約制としており、最初のご希望の日時を3案挙げていただき、私の都合が合う日に相談をお受けしています。1回の相談は90分以内、1人1日1回とさせていただいています。別日程であれば何回でもご利用いただけます。
 
ーーどのような方が悩み相談を利用されるのでしょうか?
 
枝廣:まず、利用者は多いときで1週間に3名程度、累計で25〜30名の方に利用していただきました。どこで知ったのかを聞いてみると「お寺 悩み相談」と検索すると崇興寺のウェブサイトが見つかったとのことでした。
そこから連絡をしてこられる人が多いですね。
 
ウェブサイトのアクセス集計を見てみると、確かに検索からの流入が多かったです。一方、私のSNS等から来られた人はほとんどいませんね。
 
ーー相談費用はかかるのでしょうか?
 
枝廣:いえ、完全に無料で行っています。そして、今後もできる限り無料で続けようと思っています。もし、相談件数が増えて私だけでは対応しきれなくなったら有料化も検討するかも知れませんが。
 
無料であることが期待値の調整にもなるんですよね。「無料なんで」という割り切りができるといいますか。
 

お坊さんの悩み相談で求められているものとは

 
――お寺の人が悩みを聞く強みはなんだと思われますか?
 
枝廣:誰が相談を受けてくれるのかが事前に分かっていることの安心感だと思います。基本的に、お寺は住職の名前や住所、電話番号が公開されている事が多いですよね。また、仏教ではどう考えるのかと聞かれることはよくあるので、世間とは違う価値観を持っていることも特徴かもしれません。
 
ーーどのような相談が多いのでしょうか?
 
枝廣:比較的若い世代の人から悩み相談を受けることが多く、伴って内容も恋愛相談や夫婦間の話、職場での悩みといった、若い世代が抱えがちな悩みが多いと感じています。いずれも共通することは、知人には言いにくい内容であることですね。特に、悩みの原因が自分にもあるとわかっている場合、知人にはなかなか話せませんよね。なので、知らない人に本音を話したいという心理が働いているのかも知れません。
 
ーー悩みの内容によっては専門の方にお繋ぎすることもあるのでしょうか?
 
枝廣:いえ、ほとんどお繋ぎしたことはありません。というのも、私のところへ来られる人はすでに専門的なところにも当たっていることが多いんです。相談者の方いわく、そうした専門的な機関はあくまでも傾聴がメインで、その方のニーズには合っていないとのことでした。
 
一方、私は傾聴を意識しておらず、またプロでもありません。なので、いわば友達の話を聞くような感じで対応しています。最初は「何があったんですか?」と聞くような感じでしょうか。気軽すぎて怒られないかと思ったこともありましたが、そうした態度がニーズに合っているようで、実際は感謝されることがほとんどですね。
相談者さんの傾向を分析していると、どうやら気の置けない友人が少ない人が多いみたいです。なので、言葉遣いこそ丁寧にしつつも、友達のようなフランクさも求められているのかも知れませんね。
 

悩み相談で求められる工夫とは

   

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掲載日: 2022.08.23